主に千葉県における刑事弁護など


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警察官の基本手筋は守られていたか

警官発砲し、男が死亡 任意同行中に暴れる Excite エキサイト : 社会ニュース

 住居侵入事件の関係で任意同行中、パトカーの中で警察官に所持していたナイフで切りつけ、別の警察官が拳銃を発砲、男性は死亡したという記事です.
 警察署の方では、「適正な使用だった」というコメントが出ていますが、発砲した警察官の上司の立場になって考えてみるとこんな風に考えられると思います.
 「パトカーの中でいきなりナイフを出されて、警察官に襲ってきたということは、これは殺人未遂・公務執行妨害罪にあたるな。狭いパトーカーの中で襲われた警察官の状況がどうだったかだが・・・まあ、それに応対できなかったり、逃げることができなかった状況であれば襲われた警察官の落ち度をいっても仕方がないか.実際、顔を切られているようだし.
 そうだとすれば、発砲した警察官の行為は正当防衛行為だ。警告も2回発しているし、適正な拳銃の発砲と見ることができるだろう。」

 ニュースにトラックバックしていたブログの中には、警察が身体検査をしてナイフを発見できなかったのは問題ではという指摘のあるものがあり、なるほどと思いました.
 確かに、事件は住居侵入事件という一見たいしたことなさそうな事件ですが、住居に侵入するだけという人はあまりいませんので、検挙した警察官としては、
 ”窃盗道具でもあるのではないか、居直り強盗する人間もいるくらいだから凶器はないのか”
などはきちんとチェックしておかなければいけないところ.
 パトカーに乗せているところを見ると、警察署又は交番でゆっくりやればいいだろうと思っていたようなところも伺えますが、お二人の警察官とも巡査部長さんで33歳と48歳、だいぶ経験もおありになるのではないかと思うので、この点どうだったのでしょうね(記事にないのでコメントのしょうもないのですが)。
 巡査部長さんといえば、「こち亀」ででてくる大原部長と同じ地位で、両さん(巡査長)がいつも怒られていることからお分かりのように、現場のベテランといった感じでとらえていただければよいのではないかと思います.
 もっとも、身体検査をきちんとしていなかったとしても、法律的に見て発砲が違法になるかどうかとは別で、やはり記事のような状況だと警察官が犯罪(殺人罪)に問われることはないかと思います.しかし、茨城県警が死体遺棄現場で職務質問しながら、素通りしてしまった件といい、本件といい、職務質問という警察の基本手筋でのチェックが甘いように思えますが、いかがでしょう。

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by cuts | 2005-07-03 08:18 | 刑事弁護