主に千葉県における刑事弁護など


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常習累犯窃盗

本日の参考記事→盗み過ぎたと現金など返却 「生活費だけ」の泥棒逮捕Excite エキサイト : 社会ニュース

 物を盗めば窃盗罪です。
 参考記事のケースは、常習累犯窃盗罪に問われています。
 この常習累犯窃盗罪というもの、私は、司法試験に合格し、裁判所で司法修習をしていたときに初めて出っくわしました.
 一生懸命、刑法の条文を思い出しましたが、ぜんぜん出てこないのであせりましたが、それもそのはず、常習累犯窃盗罪は、
 「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」
という1930(昭和5)年成立のいまだに漢字カナ混じりの法律に記載されているからです(司法試験は刑法は試験の対象ですが、上記の法律は試験の対象ではありません).
 常習累犯窃盗罪が成立するには、
1 常習として窃盗罪又は窃盗未遂罪を犯したこと
2 今回の犯行以前の10年間の間に3回以上、懲役刑(6ヶ月以上のもの)の判決を受けていること
が必要です.
 つまり、単に常習性があるというだけではだめで、正式裁判になって判決をここ10年の間に3回以上受けていないと成立しませんから、ほとんど一般社会と刑務所を行ったり来たりしている(少なくともここ10年は)という方が多いです.

 さて、参考記事のケースでは、こんなに自分には必要ないとかパスポートなどは被害者が困るだろうからということで、後日被害者に返しているということです。
 法律上は、物自体を取った時点で、その全額について窃盗罪(このケースの場合常習累犯窃盗罪)が成立してしまいますから、あとでいくら物を返しても窃盗罪が成立しなくなるわけではありません.
 ただ、金品が一部でも返還されているということは、その分、事後的ではあっても実際の被害が減ったということにはなりますから、裁判になった場合は、そのことは情状として考慮されます.つまり、窃盗罪は成立するけれど、刑を決める上で、まったく返還していない事案に比べると、刑を低くすることになります。

 窃盗犯は自分がいらないと思ったものは、捨ててしまうことが多いのですが、被害者に返しにいったというケースは私も聞いたことがありません.自分が犯人とばれるリスクを負いながら、被害金品を返しにいった犯人の心理にはなかなか微妙なものがありますね。

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by cuts | 2005-08-25 07:36 | 刑事弁護