主に千葉県における刑事弁護など


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求刑をただす裁判官の心理

本日の参考記事→<死亡ひき逃げ>裁判官が「求刑軽い」と異例要求 岡山地裁 Excite エキサイト : 社会ニュース

 交通死亡事故の多い千葉で弁護士をしておりますと、国選で死亡事故を担当するケースがあります。
 今から10年前の弁護士なり立ての頃、一番最初に担当した交通事故事案は、前方不注意で追突させて相手を死亡させたという業務上過失致死(他の道交法違反話)というケースでした.任意保険はついていましたが、示談はできていたと思います.
人を一人死亡させておいて、これで執行猶予がつくのだろうか?
と当時量刑相場がわからなかった私は本気で心配しました。
 求刑ー禁錮1年4月
 判決ー禁錮1年4月執行猶予3年
おどろくほどあっさり執行猶予判決がでました。
その後も、業務上過失致死のケースを担当すると、禁錮1年4月求刑が続き、裁判官は執行猶予をつけるというケースが続き、そのあたりが量刑相場なのかと思ったものです。
 6,7年前、死亡轢き逃げというケースを担当しました。
 業務上過失致死と道路交通法違反(報告義務・救護義務違反)です。
 求刑ー懲役2年6月
 判決ー懲役1年8月
 示談ができましたので、求刑から相当程度下がりましたが、当時はこの程度の判決でした.
 
 ところが、時代が変わりました。
 世論に押されて、道路交通法の法定刑がアップしました(業務上過失致死は変わってませんが)。
 世論と法律の改正で、求刑もアップし、判決もだいぶ上になりました.
 今回の参考記事では、当初は検察官は懲役3年でしたが、裁判官の心証はそれよりも上だったのでしょう、もう少し上を求刑したらいかがかということを検察官に”釈明”し(実際は、要求したも同然ですが)、検察官は懲役4年に変更しました.
 裁判官は求刑に拘束されません.
 だから、懲役3年の求刑で、「懲役4年」と判決したって法律上は全然構わないのです.
 ただ、「求刑は宣告する刑の上限だ」と考えている裁判官が多いのも事実で、そういう裁判官の場合、今回のような釈明をするという考えにつながりやすいでしょう.
 今回のケースでは、文書で釈明を求めたというのが珍しく、多くは検察官に法廷外で連絡をつけていると思われます(いきなり検察官が、求刑を変更する、といってくるケースにでくわしたことがあります)。
 
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by cuts | 2005-08-29 07:22 | 刑事弁護