主に千葉県における刑事弁護など


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東京高裁の異例の警告

本日の参考記事→<オウム裁判>弁護団に控訴趣意書の提出要求 東京高裁 Excite エキサイト : 社会ニュース

 松本被告の裁判についての報道.
 東京高裁が異例の警告文書を弁護団に送ったというものです。
 記事から読み取れる、高裁側の論理を推測してみますと、
1 控訴審では控訴趣意書を期限までに提出しないといけないことは刑訴法で規定されている.
 控訴趣意書が期限までに提出されなければ、控訴を棄却しなければならないことは弁護人もわかっているはずだ。
2 弁護側は、被告人の訴訟能力を問題にしているが、その問題と控訴趣意書の問題は別だ。
 一審の弁護人だって、一審の審理をもとに意見を書いているわけだから、控訴審の弁護人だって今の時点で書けないということはないだろう.
 書かないのであるとすれば、それは弁護人の職務違反ではないのか?
3 控訴趣意書の提出期限は1月と決めてあった。弁護人は、「被告人と意思疎通できない」というから、それを8月までに延長してあげたのだ.これは、高裁からの配慮であって、それを逆手にとって、趣意書の提出をさらに遅らせようなどとはもってのほかだ。
というようなものであろうと思います.

 確かに、高裁が述べていることの方が刑事訴訟法上からの筋論であり、弁護人側としてこれを超える論理を提出できて、高裁を納得させることはできるのだろうか?というような感じはします。
 高裁を納得させなければ、結局、
  控訴棄却
になってしまいますから。
 そういう意味で、高裁が
 「極めて意図的な不提出で、今後提出しても『やむを得ない』提出遅延と認められない可能性が相当強まった」と警告
したのは、わからないでもないです。
 しかし、 
「法令を無視し、被告が実質審理を受ける機会を失う危険をあえて招来した弁護人の行動は、著しく被告の利益を侵害するものと言わざるを得ない」
 と弁護人の行動に文句をつけるのは、どうなのかなと思います.
 裁判所は弁護人の行動を受けて、法律に照らして判断すればよいのであって、弁護人の行動を非難するのは被告人や弁護人を選任した人たちにまかせればよいのではないでしょうか。
 いずれにせよ、ボールは再び弁護人に投げられたといえましょう。
 弁護団の対応が注目されます.

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by cuts | 2005-09-03 09:31 | 刑事弁護