主に千葉県における刑事弁護など


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否認が自白に転じるとき

本日の参考記事→<カネボウ粉飾>逮捕の会計士、複数が容疑認める供述Excite エキサイト : 社会ニュース

 人は誰しも自分に不利益なことは認めたくないものです。
 自分の不利益な事実を他人から突きつけられた場合、できればその事実が自分が関与したものではないということですまされないかと考え、”いや、それは自分とは関係ないよ”といってみたくなるものではないでしょうか。
 これは刑事事件でも同じで、捜査機関から、「お前これをやっただろう」と追求され、「いや私は関係がありません。」「知りませんでした」などという主張はよくでるものであります。
 これを捜査機関側からすると「否認している」ということになります。
 子どもがときどきしょうもない嘘をつくことがありますよね。
 親からしてみれば、子どもがやったことは明々白々なのに、しらをきるということが。
 こういうときに、親は子どもが嘘をつくことはいけないことだ、お前がやったのだからそれを認めて、きちんと反省しろと教え諭すものですが、刑事事件において日本の捜査機関もそのような発想が見られます。
 つまり、お前がやったことは間違いがないだろう、ここで罪を認めておいたほうがいいぞ、そうでないと、捜査も長引くし、家族とも面会できないし、刑も長くなるかもしれない。大変な事件を起こしていた場合であれば、刑は死刑になるぞ、認めれば無期懲役だぞなどともいうかもしれない。とにかく、あの手この手で説得というか、なだめすかして認めさせようとする、これが捜査機関の考えであり、しかも、捜査機関としては、それは捜査機関自身のためというより、被疑者のためを思って言っているというところが、いかにも日本的な現象だなあと思います。
 被疑者が本当に事件を起こしていれば、このような捜査機関の態度も悪くはありません。
 しかし、否認している人の中には、
   実は本当に犯罪をしていない人がいる
はずなのです。
 捜査機関側は、確信に近いところで逮捕にいきますから、逮捕して否認したら、お前がやったんだろうということになってしまいますが、中には真にやっていない人がおり、その人は当然頑強に「いや私はやっていません」と主張するわけですから、警察・検察としてはかわいくないわけです。
 で、時間をかけて(起訴するまでには逮捕から23日間は身体拘束が可能です)、色々手をかえ品をかえて、説得するわけです。
 真にやっていない人まで、孤立無援でいると、「ここでは自白したほうが楽になれる裁判で真実を述べればよいだろう」という気になってしまい、嘘の自白をするということはよくわることです。
 これは、魔女狩り裁判で、「私は魔女です」と自白した人のことを考えていただければ、容易におわかりいただけると思います。
 今回の参考記事のケースが、どちらのケースなのか、それはわかりませんが、いずれにせよ弁護人としては、”その人が本当に犯罪をやっていない”という立場に立って、行動することになります。
 そうでないと、弁護人まで嘘の自白に転じさせたことに責任があることになってしまいますから。

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by cuts | 2005-09-22 08:21 | 刑事弁護