主に千葉県における刑事弁護など


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囚人のジレンマと共犯による巻き込み

「マブチ社長宅に行った」 54歳の男が関与供述Excite エキサイト : 社会ニュース

 マブチ社長宅での放火殺人事件は、現在二人の被疑者が別件(旅券法違反)で逮捕されており、警察が同事件についても追及中というところです。
 記事では、被疑者のうちの一人が、「マブチ社長宅に行った」という供述をしているということです。
 「行った」ことまでは供述したということですが、放火殺人事件に関与したかどうかについては触れられていません。ですから、どこまで本件との関与を認めたのかは不明です。
 「二人の共犯が逮捕され・・・」と書いていましたら、”囚人のジレンマ”というゲーム理論を思い出しました。
 一郎と次郎の二人が犯罪を犯し、逮捕された。
 両方とも黙秘(又は否認)していれば、両方とも無罪。
 両方とも認めれば、双方とも無期懲役。
 一郎又は次郎のみが話して他方が黙秘(又は否認)していれば、話したほうは無期懲役よりも刑が下がるが、他方は死刑。
 このような条件下なら、一郎も次郎も供述をしてしまうというような話だったと思います。
 アメリカではともかく、日本ではこのようなことは想定はしにくいですが、逮捕された被疑者としては、量刑の実際がわからないだけに、似たような心理になることも理解できます。
 ところで、この囚人のジレンマ、二人の被疑者は実際は犯行をやっているというのが前提です。
 しかし、実際の事件では犯行をやっているかやっていないかはわからない(少なくとも刑事弁護人はそう考えて行動します)ので、実は一郎の単独犯行または一郎と三郎の共犯であっても、一郎が「次郎と共犯でやった」と供述することがありうるのです。
 これを”共犯による巻き込み”といい、裁判実務ではもっとも気をつけなければならないことのひとつとされています。

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by cuts | 2005-10-07 07:14 | 刑事弁護