主に千葉県における刑事弁護など


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実質的な被害者を身体拘束する手法

殺人をも依頼できる闇サイト関連の続報記事。今度は、不倫相手の男性が傷害罪で逮捕されたというものです→Excite エキサイト : 社会ニュース

 この事件、女性救急隊員が「詐欺にあったのではないか」と警視庁に相談に行き、女性と探偵業者の一人が暴力行為法違反で逮捕されたことに端を発しました。 
 暴力行為法違反では、双方とも処分保留で釈放されています。
 「処分保留」というのは、検察官が起訴するか不起訴にするかの処分を保留にしているという意味です。
 勾留されてから、最大20日以内に起訴しなければ、被疑者を釈放しなければなりません。
 ですから、勾留されているときの処分保留は、必ず釈放を伴います。
 この処分保留というもの、色々な使われ方をしますが、ひとつには起訴できないから処分保留という名目を使用するということがあります。
 この場合の検察官的建前は、「現段階では起訴するに足りる証拠を発見することができない。今後鋭意捜査して起訴するに足りる証拠を発見すれば起訴する」というものですが、基本的には不起訴含みで行われることが通常です。
 もっとも、私が担当したケースで、勾留され、処分保留で釈放になってから、2年後に新しい証拠が見つかったという理由で起訴されたケースがありますので、不起訴処分がはっきりしない限り、被疑者としては安心できないのですが。
 ところで、この事件のきっかけとなった女性救急隊員、当初は「自分で被害にあったのに警視庁にいくなんて」のような論調で報道されていたのですが、今回の記事を見ると実質的には被害者といってもよい状況だったようです。
 このようなケースでも、ほかの関係者とのバランスをはかるため等の目的で、捜査機関が逮捕に踏み切るという手法はまれに見かけます(もちろん、実質的被害者にも逮捕されるだけの理由がないとできませんが)。
 例えば、在留資格がない外国人同士がけんかをしたというケースがあるとすると、被害者についても不法残留を理由に逮捕・勾留して、その期間中に傷害罪の被害者としての事情聴取もしてしまうという手法をとります。
 逮捕・勾留しないと、どこかにいってしまい、傷害罪の被疑者を立件できないということにもなりかねないので取られる手法です。
 やむをえないといえば、やむをえないのですが、このようなケースで被害者側の弁護人になると、なんともいえない気持ちになる場合があります。

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by cuts | 2005-10-12 05:51 | 刑事弁護