主に千葉県における刑事弁護など


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経営者側が採用者の前科をチェックすることは可能か

京都で小6女児が塾講師に殺害される
Excite エキサイト : 社会ニュース

 今度は京都で小6女児が塾講師に殺害されるという事件が起きてしまいました。
 社会全体に暴力という風潮が蔓延している、その一例なのではないかと思えてなりません。
  記事中に、こんなコメントがありました。
 学習塾の事情に詳しい森上展安・森上教育研究所代表の話
 塾講師は生徒と接する時間が限られており、信頼関係が築きにくい。塾講師の採用は特別な免許や公的な基準がないため、経営者側は性格や過去のトラブルなど、人物像をしっかり把握すべきだ。人気があったり、教え方がうまいかどうかだけではなく、普段子供に接する態度や性癖についても厳しい目で見ていく必要がある。


 経営者が、「性格や過去のトラブルなど、人物像をしっかり把握する」のは、当然なことでこれをやらない経営者はいないと思います。
 もっとも、採用というプロセスで選考する方法としては、書面や限られた時間での面接によるわけですから、当然、すべて完璧な人材を得られるということはやろうとしてもなかなか難しいことです。
 しかも、「過去のトラブル」については、通常履歴書だけでしか判断できないと思います。
 例えば、過去に犯罪を犯したという前科ないしは少年時代の前歴があったしても、履歴書に記載されなければこれを経営者が把握することは不可能です。
 前科情報は特定の役所のみに存在し、そこに照会をかけることは、弁護士でもできません。
 警察官が前科情報を漏洩するということが、まれに報道されますが、これなどは、前科情報を知りたいという需要があり、情報を知りたいものが警察官にアプローチして、情報を引き出すのです(当然、警察官の守秘義務違反になります)。
 一旦、雇用してしまえば、そう簡単に雇用契約を解消できない法律になっています。
 もちろん、前科があることを隠しているのがばれれば、履歴書の虚偽記載ということで解雇することは可能ですが、前科情報自体が固い壁に守られていますので、あとでわかるということは実にまれということになります。
 「普段子供に接する態度や性癖についても厳しい目で見ていく必要がある。」のも経営者として当然のことですが、よほどの問題を起こさない限り、問題があるからすぐ解雇というわけにはいかず、通常は法的制裁のない指導があって、それから戒告やら減給ということにならざるをえないことも多いのではないでしょうか。
 ということで、上記のコメントとしては、至極当然なのですが、雇用という側面や前科情報の入手という側面からみると、上記コメントを実行するためには、経営者は法律によって、その手段が限定されているのが現状です。

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by cuts | 2005-12-10 16:03 | 犯罪被害