主に千葉県における刑事弁護など


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身代金目的略取罪と解放減軽

仙台の乳児連れ去り事件、乳児は無事解放
Excite エキサイト : 社会ニュース

 当初の報道では、警察は、乳児の連れ去りについては、
  未成年者略取罪
という容疑で捜査を始めていたということでしたが、6000万円余りの身代金の請求があったということで、
 身代金目的略取罪(法定刑は、懲役3年以上で無期懲役まで)
での捜査が行われるということになりましょう。
 ところで、身代金目的略取罪の身代金をとろうとする対象は、
 「近親者その他安否を憂慮する者」
ということになっており、病院がこれに入るかが一応問題にはなりそうです。
 過去の裁判例では、相互銀行の社長を誘拐して、会社幹部に身代金を要求した事案で、会社幹部が「安否を憂慮する者」にあたるとしたものもあります(昭和62年の最高裁判例)が、他方、誘拐されたものが従業員で会社の社長に身代金を要求した事案ではこれを否定したものもあり(昭和51年の大阪地裁判決)、病院の院長がこれにあたるかどうか法律上の論点としては微妙なところもありそうです。
 
 ところで、今回の事件では、乳児が無事解放されていますが、身代金目的略取罪で、被害者を「安全な場所」に解放したときは、その刑は減軽されることになっています(刑法228条の2)。
 引用した記事からはどこに乳児を解放したのかがわからないのですが、この規定の適用があるのかこの点も今後問題となってくることでしょう。

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by cuts | 2006-01-08 19:12 | 刑事弁護