主に千葉県における刑事弁護など


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安楽死と尊厳死

富山で医師(外科部長)が病院には無断で患者7人の人工呼吸器をはずした
Excite エキサイト : 社会ニュース

 くだんの外科部長は尊厳死を主張ということですが、安楽死や尊厳死というのは非常に微妙な問題を抱えているものです。
 安楽死とか尊厳死というと同じようなニュアンスに聞こえてしまいますが、
 法律上は、

 安楽死→薬剤などを投与し、積極的に生命を縮める行為。
 尊厳死→人工呼吸器を外す行為などを含む治療行為の中止

をいいますから、積極的に生命を縮めたのかどうかというのが2つをわけるポイントです。
 安楽死や尊厳死の問題が法廷に持ち込まれることはまれにあるのですが、最近では、東海大病院事件というのがあり、横浜地裁が95年に示した要件というのがあります。

 安楽死では、
 (1) 患者に肉体的に耐え難い苦痛がある
 (2) 患者の死期が迫っている
 (3) 苦痛を和らげる方法がない
 (4) 患者の明らかな意思表示(同意)
です。
 報じられているケースでは、意識不明の患者さんということですから、そもそも(4)の患者の明らかな同意がないので、安楽死だった場合は、認められる条件をそろえられません。

 尊厳死の場合にも、横浜地裁は要件を示しており、
(1) 死が不可避な末期状態
(2) 患者の意思表示(家族による推定も含む)
(3) 自然の死を迎えさせる目的に沿って中止を決める

となっていますが、患者の意思表示ないし家族の意思については、十分なインフォームドコンセント(説明と同意)が必要なところであり、この辺がどのようなところなのかも警察の捜査のポイントになることでしょう。
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by cuts | 2006-03-26 08:13 | 刑事弁護