主に千葉県における刑事弁護など


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最高裁が「著しく正義に反する」と判断

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光市母子殺害事件で最高裁判決
Excite エキサイト : 社会ニュース

 最高裁は、基本的には憲法違反や判例違反を裁くところです。
 しかし、それだけでなく、二審の事実認定が違っていたりする場合に、これは重大な事実の認定の間違いであって是正しないと駄目だろうという場合は、事実認定の問題に踏み込んだりもします。
 
 刑事事件で量刑、つまり、どの刑にするが適正なのかということについては、最高裁は基本的には口出しをしません。
 ただし、その量刑が「著しく正義に反する」場合は、最高裁が判断することができることとなっています。
 単に不当であるとか、正義に反するくらいの状態では最高裁が判断をすることはなく、「著しく正義に反する」場合のみです。

 今回のこのケースでは、死刑なのか無期懲役なのかということに、最高裁が二審の判断が「著しく正義に反する」としたわけですが、このようなことは極めて珍しいです。
 記事にもありますが、「最高裁が無期懲役判決を破棄・差し戻したのは99年以来、3例目」で、死刑と無期にゆれる微妙なケースで、最高裁が死刑と無期をどこで線をひくのかの判断をします。

 最高裁の判決というのは、現場の裁判官に絶大な効果があり、裁判官は最高裁の判例は当然知っているべきものとされていますから、最高裁判決が今後の事案において多大な影響を与えます。

 今回の最高裁判決要旨を新聞で読みましたが、注目すべきところは、
1 殺害に計画性がないことを認めながら、それを死刑回避の理由としなかった
2 犯行当時18歳という年齢を「死刑を判断する上で相応の考慮を払うべきではあるが、死刑を回避すべき決定的な事情とまではいえない」
とした点だろうと思います。

 従来、計画性があるかないかは、死刑とするかどうかにかなり重いウエイトをしめてしたのですが、最高裁は、計画性がなくても、このケースでは、
「反抗抑圧の手段や発覚防止のため殺害を次々と実行しており、殺害が偶発的なものとはいえない」
として、計画性がないことをこのケースでは死刑回避とする理由とはならないとしました。

 犯行時18歳という年齢も死刑回避をすべき決定的な事情ではないとしたことは、18歳以上で凶悪事件を起こせば、死刑を選択することもあるというメッセージです(なお、18歳未満は少年法で死刑が相当とされる場合でも無期懲役になります)
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by cuts | 2006-06-21 13:39 | 刑事弁護