主に千葉県における刑事弁護など


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カテゴリ:刑事弁護( 197 )

安楽死と尊厳死

富山で医師(外科部長)が病院には無断で患者7人の人工呼吸器をはずした
Excite エキサイト : 社会ニュース

 くだんの外科部長は尊厳死を主張ということですが、安楽死や尊厳死というのは非常に微妙な問題を抱えているものです。
 安楽死とか尊厳死というと同じようなニュアンスに聞こえてしまいますが、
 法律上は、

 安楽死→薬剤などを投与し、積極的に生命を縮める行為。
 尊厳死→人工呼吸器を外す行為などを含む治療行為の中止

をいいますから、積極的に生命を縮めたのかどうかというのが2つをわけるポイントです。
 安楽死や尊厳死の問題が法廷に持ち込まれることはまれにあるのですが、最近では、東海大病院事件というのがあり、横浜地裁が95年に示した要件というのがあります。

 安楽死では、
 (1) 患者に肉体的に耐え難い苦痛がある
 (2) 患者の死期が迫っている
 (3) 苦痛を和らげる方法がない
 (4) 患者の明らかな意思表示(同意)
です。
 報じられているケースでは、意識不明の患者さんということですから、そもそも(4)の患者の明らかな同意がないので、安楽死だった場合は、認められる条件をそろえられません。

 尊厳死の場合にも、横浜地裁は要件を示しており、
(1) 死が不可避な末期状態
(2) 患者の意思表示(家族による推定も含む)
(3) 自然の死を迎えさせる目的に沿って中止を決める

となっていますが、患者の意思表示ないし家族の意思については、十分なインフォームドコンセント(説明と同意)が必要なところであり、この辺がどのようなところなのかも警察の捜査のポイントになることでしょう。
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by cuts | 2006-03-26 08:13 | 刑事弁護

また不可解な少年事件

寝ている友人に灯油をかけて火をつけた高校生、殺人未遂で逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

 同居していた友人に灯油をかけて火をつけたという行為が殺人未遂にあたるとして、高校生が二人逮捕されました。
 なぜ、高校生くらいの年代の三人が同居していたのか、その同居の間に何があったのか、
灯油をかけて火をつけられるたのか、逮捕された当人が動機についてあいまいな供述をしているということで、この辺のところがよくわからない事件ではあります。
 逮捕されたのが、高校生ですので、法律上は「少年」(20歳未満をこういいます)と扱われます。
 手続の流れとしては、
  逮捕・勾留
→家庭裁判所に送致
となって、家庭裁判所で事実や少年の保護が必要な程度を審理し、事実が認められれば、
 保護処分にするか、刑事処分相当と考えて検察官に送致するか
を決めます。
 殺人未遂事件だと、法律上では、
  家庭裁判所で検察官に送致する旨の決定(逆送決定)が原則
となりますが、事情によっては
 保護処分(殺人未遂だと少年院送致が多いと思われますが)
もありうるところです。

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by cuts | 2006-01-30 08:05 | 刑事弁護
女性との集団生活をしている男性、脅迫罪で逮捕される
Excite エキサイト : 社会ニュース

 男性一人、女性数人で共同生活をしていた男性が脅迫罪で逮捕されました。
 脅迫罪は、法定刑が
   懲役2年以下又は30万円以下の罰金
ですから、新聞報道にあがるような事件と比べると、比較的軽い部類に属します。
 記事によれば、
 警視庁は集団生活の実態や背景などの解明を急いでいる。
ということですから、脅迫罪以外の犯罪があるのではないかという疑いを警察はもっているということでしょう。
 もちろん、男性が一人で女性が数人という共同生活は、社会道徳的にみれば好ましいことといえないでしょうが、お互いの合意で暮らしているのであれば法律的には、少なくとも刑事法的には何ら問題はないといえます。
 ただ、報道のような脅迫の事実があったとすれば、内部での共同生活でも何らかの犯罪行為ー例えば、意に反してその家に居続けさせるような監禁行為ーがあるのではないかと警察が考えるのもわからなくはないところです。
 脅迫罪というのは突破口で、この逮捕で被疑者の身体を拘束し、被疑者や関係者からの供述を引き出すのが警察の狙いでしょう。
 被疑者は犯罪行為を行っていないと主張しているようですので、弁護人としてつく場合は、弁護人は関係者(やはり共同生活をしていた人になるでしょうね)から事情聴取するなどして、被疑者の言い分が裏付けられるかどうかの活動をすることになります。

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by cuts | 2006-01-27 08:09 | 刑事弁護
堀江容疑者ら、勾留される
Excite エキサイト : 社会ニュース

 堀江容疑者ら勾留されるという記事ですが、勾留されるまでにはどんな手続になるのでしょうか。
  逮捕されて東京拘置所に留置されているわけですが、この日は東京地裁に連れて行かれます。
 東京地裁で裁判官に「勾留質問」という手続を受けます。
 これは、法廷で行うわけではなく、非公開の狭い部屋で行います。
 弁護人の立会いも原則として認められておりませんから、裁判官と被疑者、あと裁判官の記録役の書記官がいるだけです。
  まず、裁判官から「あなたの被疑事実はを今から読み上げますから、よく聞いておいてください。」といって、被疑事実を読み上げられ、「この事実に間違いはありますか、ありませんか?」と質問を受けます。
 事実を認めている場合は、「間違いありません」と被疑者はいいますから、このときは、書記官が「事実は間違いません」というスタンプを「勾留質問調書」に押して記録します。
 事実を否認する場合は、「いやその事実は間違っています。間違っているのはこことこことです」などと被疑者が主張しますので、それを裁判官が適宜要約して、勾留質問調書に記録します。
 
 裁判官は、この質問の手続に臨むまでの間に、検察官から送られてきた記録を読んで、勾留をするかどうか決めています。ライブドア事件では記録は膨大なものになりますから、全部を裁判官が丹念に読むと言うことは物理的に不可能でしょうね。
 おそらくポイントだけ読んでいるだけと思われます。
 検察官がした勾留請求を裁判官はほとんど認めているのが現状です。
 認めないことの方が珍しいです。
 ですから、先ほどの被疑者とのやりとりの後に、裁判官は、
「それでは10日間、あなたを勾留しますから。勾留場所は東京拘置所です」
といったことを述べて、勾留決定を告知します。
 また、一般人との面会を禁止するという”接見禁止決定”をつける場合は、このときに
「弁護人以外との接見は禁止しますから」
といって、それも告知します。
 これだけで終わりで、あとはまた東京拘置所まで護送されます。

 ニュースでも「10日間」の勾留決定とありますが、実際は起訴までにプラス10日間の勾留延長が認められていますので、起訴までに20日は勾留されるのが複雑な事案では常態となっています。

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by cuts | 2006-01-26 08:09 | 刑事弁護
堀江社長辞任、ライブドア新体制へ
Excite エキサイト : 経済ニュース

 堀江社長が辞任の意向を示し、ライブドアでは新社長が誕生という記事です。
 逮捕されますと、一般の方(弁護士以外という意味です)は面会できない扱いになっています。
 勾留後は、一般の方は面会可能なのですが、裁判所が
   接見禁止決定
という決定をすると面会や手紙のやり取りができなくなってしまいます。
 この接見禁止決定は最近は頻繁になされるようになり、
  ・容疑事実を否認している事件(否認事件)
  ・共犯者が複数いる事件(共犯事件)、特に組織的な犯罪の事件(組織的事件)
は接見禁止決定がつく可能性が大きくなります。
 ライブドア事件では、
  ・堀江社長は容疑を否認していると報道されていますし、
  ・会社の執行部が関与した組織的な事件
ということで、接見禁止決定がつく可能性はかなり高いと思います。

 一般の方と面会できないということは、弁護士としか会えないということで、外部とのやりとりはすべて弁護士が仲介しなければなりません。
 弁護士としてこのような接見禁止となっている被疑者・被告人の場合は、非常に気を使います。
 というのは、相手に「これこれを伝えてくれ」といっても、それで十分伝わるのか?と思うからです。
 伝言ゲームというのがありますね。伝言をしていくと微妙に話が変わっていってしまうというものですが、それと同じく、人から人への話と言うのは、内容もそうですが、ニュアンスも変わってしまいそうで怖いものです。

 堀江社長辞任の意向もおそらく弁護士が伝えたことでしょう。
 弁護人の、本来の職責は捜査機関側の攻撃からいかに被疑者を防御するかですが、接見禁止決定がなされていると、このような外部との連絡の仲介係の役目を負うことになり、負担が増大します。

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by cuts | 2006-01-25 07:02 | 刑事弁護
ライブドア事件、堀江社長を含む4人を東京地検特捜部が逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

 ライブドアに関する事件はついに社長逮捕まで発展しました。
 特捜部で逮捕しますと、東京拘置所に留置されます。
 これは、特捜部自体は留置施設を持っていないからです。
 警察は自分たちで留置施設をもっていますから、逮捕したら警察署内の留置施設に入れることが可能なわけですが、検察庁はそこまでの物的設備がありませんから、拘置所を使用するわけです。
 朝日新聞では一面に堀江社長を乗せた車が東京拘置所に入る写真を載せていました。このシーンはマスコミが狙う撮影スポットで、朝日新聞の写真には群がるマスコミをもとらえていました。
 この門は正門で、一般の面会はこことは別の門から入らなければなりません(正門から300メートルくらい離れています)。 
 東京拘置所は、葛飾区の小菅というところにあり、北千住駅から東武線で一駅いくと「小菅」という駅がありますので、そこから歩いて5分ほどです。
 霞ヶ関から小菅までは駅から駅まででも電車で約30分かかりますから、東京の弁護士にとっても小菅は便利なところとはいえないでしょう。
 取り調べる検察官も小菅の拘置所まで行かなければなりません。
 警察に留置されている場合は、警察がバスなどで被疑者を検察庁まで押送しますが、拘置所にはそこまでの人的な余裕がないので、検察官が自分から出向き、拘置所の取調室で取調べを行うことになるのです。

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by cuts | 2006-01-24 08:16 | 刑事弁護
幼い子ども二人が両親に殺される。無理心中か?
Excite エキサイト : 社会ニュース

 「無理心中」という言葉を調べてみましたら、
   むりやりにする心中。同意しない相手を殺して自分も自殺すること(大辞林)
だそうです。
 心中(相愛の男女が合意の上で一緒に死ぬこと。情死。)だと、ケースによっては法律上何罪が成立するか微妙な問題になる時がありますが、「無理心中」は法律的には単なる
  殺人罪
です。
 記事でもやはり殺人容疑で逮捕しています。
 動機については、
 「借金があり生活が苦しく、心中しようとした」と供述している
とのことですが、理性的に考えれば、借金を解決する方法は弁護士などの専門家に相談すればいろいろあるところなのですよね。
 今ではそういう知識も以前から比べると大分報道されていると思います。
 しかし、おそらく夫婦で抑うつ状態に陥ってしまっており、理性的に対処できないような心理状態に陥ってしまったのではないでしょうか。
 抑うつに陥ってしまうと自殺念慮、自殺願望が出てくる場合があり、幼い子どもは親にとって自分の一部ですから、自殺の延長上で子どもを殺すというケースが出てきてしまうのではないかと思います。
 無理心中を図る場合、順番としては、子どもから殺して、最後に親でしょう。
 子どもは弱いですし、殺人の完遂率は高くなってしまうのでしょうね。
 自分を殺すというのは、それだけの衝動ととてつもないエネルギーが必要なので、そこまでのものがない場合、「死に切れなかった」ということになるのです。
 今回の記事のようなケースを抑止するためには、借金問題の解決を図ると共に、心のケアーを考えなければいけないような気がします。

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by cuts | 2006-01-23 07:32 | 刑事弁護

無言電話が「偽計」!?

24時間で110番を1000回以上かけた男性、偽計業務妨害罪で逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

 以前「威力業務妨害罪」についてとりあげましたが、偽計業務妨害罪も業務妨害罪という意味では同じで、法定刑も
 懲役3年以下又は罰金50万円以下の刑
です。
「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を用いることで、暴行だけでなく、脅迫も入りますが、
 「偽計」というのは、人をだましたりするような行為を本来いいます。
 でも、これだと無言電話は、なんで「偽計」になるのか?と疑問に思われる方もいるでしょう。
 裁判例で、3ヶ月の間に970回無言電話を中華料理屋にかけたというケースがあり、こういう相手を甚だしく困惑させる行為も「偽計」であるというのがあるのです。
 今回のケースは、24時間で1000回以上ですから、その回数もすごいですが、前の裁判例と同じく「偽計」業務妨害で逮捕したということです。
 学者さんの中には、相手を困惑させる行為まで「偽計」業務妨害にするのはいきすぎだ、軽犯罪法に「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」を処罰できるんだから、それでいいではないかという方もいます。
 でも、軽犯罪法だと非常に刑が軽いんです。
 無言電話を異常な回数かける行為については、やはり重く処罰すべきだという価値判断が裁判例にはあるのかもしれません。

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by cuts | 2006-01-21 07:58 | 刑事弁護
ライブドア事件、メールの解析が進む
Excite エキサイト : 社会ニュース

 押収された電子メールを捜査側は解析しているとの記事。
 ライブドアでは、稟議書というものはなく、メールで決済していたようですから、メールの証拠価値は高いですね。
 削除されたメールを復元しているというのは、現在では当たり前に行われているようです。
 押収されたのは、パソコンのメールなのでしょうが、携帯のメールでも復元が可能なようです。私が相談を受けたケースでも、携帯の復元メールの内容をもとに捜査をしていたのがありました。
 もっとも、そのケースでは、すべてを完璧に復元できるわけではないようで、文字化けをして意味不明な箇所も残ってしまったようでした。
 ハイテク犯罪捜査については、警察官向けの刑法・刑事訴訟の雑誌「捜査研究」(東京法令出版からで一般の方でも購入できます)に大橋充直検事が「ハイテク犯罪の捜査」という連載を6年間もしています。
 この連載、本にもなっていまして、
  ハイテク犯罪捜査入門 図解・実例からのアプローチ 捜査実務編
  ハイテク犯罪捜査入門 図解・実例からのアプローチ 基礎編
(いずれも東京法令出版)
の二冊が出ています。
 法律家には珍しく、軽妙な文章で、ハイテク犯罪について解説しています。
 現代では、証拠が文章で保存されているほか、パソコンの中のデーターとして残っている場合が多いわけですから、捜査官についてもこのような知識で必須とされているのでしょう。
 警察や検察などの組織では、こういうことについては組織的に対処するので、専門知識の集積が進んでいるのでしょうが、弁護士はひとりひとりが対応しなければならないので、ものすごく詳しい人もいる一方で、筆者がブログの話をしても「ブログ?なにそれ?」という方までいるところなので(いまだにメールすらやらない人もいますし)、その差はものすごくついてしまっているのかもしれません。

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by cuts | 2006-01-19 06:55 | 刑事弁護
精神鑑定を裁判員に対してどうわかりやすくするのかという声
Excite エキサイト : 社会ニュース

 連続幼女殺人事件の最高裁判決は、
  死刑判決を維持
ということでした。
 引用してある記事では、責任能力それ自体の問題と共に、精神鑑定の鑑定書を裁判員制度が始まった時、裁判員が理解できるのかという点についても疑問の声を投げかけていました。
 今回の事件の鑑定書のページ数は550ページにものぼるもの。
 これは特別であるとしても、普通の事件の鑑定書もそこそこのボリュームはあります。
 その上、弁護士でもある程度精神医学をかじってないと理解できない鑑定書の内容を、全く精神医学の素養のない方が一読しただけでいきなり理解できるわけはなく、どのような「わかりやすさ」を出していくのかが問題となることでしょう。
 ただ、「わかりやすさ」といってもどこまでできるものか・・・・
 浅学な私には全くアイデアがでてきません。
 法律でも医学でもある程度の術語、テクニカルタームというのは必要なものでして、学問というのは、そういう言葉の積み重ねでできているわけです。
 それをいちいち全部理解させることは難しいでしょうから、本件の争点となるところだけを抜き出して説明するしかないのでしょうけれど。
 将来どうなるのか、とにかくやってみて考えるしかないのか、難しい問題です。

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by cuts | 2006-01-18 06:09 | 刑事弁護