主に千葉県における刑事弁護など


by cuts
カレンダー

<   2005年 08月 ( 32 )   > この月の画像一覧

弁護士の業務停止とは

本日の参考記事→<大阪弁護士会>2人を懲戒 依頼者にセクハラ、依頼放置 Excite エキサイト : 社会ニュース

 弁護士は自由業と言われています.
 確かに、(新人の頃の弁護士は別として)上司から監督されずに仕事ができるという点ではまさに自由業です.
 しかし、司法試験に合格したかどうかは、きちんとした仕事ができるか否かをチェックはしてくれないので、一定程度問題行動を取る弁護士もでてきます。 
 このような場合、日本では
  弁護士会の自治
が貫かれており、弁護士会が問題の事実があるかどうか調査し、懲戒相当かどうかを決定する仕組みとなっております。
 弁護士法では、
 「職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける」
と規定されており、この「品位を失った行為」であるかどうかが多くは問題とされます。
 弁護士の懲戒には、
  戒告・・・戒めを受ける
  業務停止(2年以内)・・・業務ができない
  退会命令・・・所属している弁護士会から退会させられる
  除名・・・弁護士を首になる
の4種類がありますが、本日の参考記事では3番目に重い「業務停止」の処分に科せられています。
 業務停止となると、その期間中一切の業務ができませんから、例えば、一人で弁護士をしている事務所であれば、事務所から「法律事務所」の看板をおろさなければなりませんし、受任中の事件も一切手をつけることができなくなり、もちろん新しい相談にのることもできません。
 ですから、依頼者には「実は、・・・今回弁護士会の懲戒を受けることになりまして、業務停止をせざるを得ないわけです.つきましては、別の弁護士を紹介しますので、そちらで継続した事件のことはやってもらえませんか」と説明せざるを得ないでしょう.
 弁護士は信用が第一ですので、このようなことがあれば、大打撃です。

 弁護士会としては、厳格に懲戒権を行使し、今回の大阪の参考記事のようにマスコミに発表するという傾向にあるようです
 これは、
 ・弁護士の人数が多くなってきた(8月現在で約2万2000人)、
 ・権利意識をはっきり持つ人が多くなってきた(これ自体は悪いことではないと思っていますが)
 ・弁護士の不祥事が一向に無くならない
ことにあるのではないかと思っています.

人気blogランキング 法律・法学部門4位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)
[PR]
by cuts | 2005-08-31 06:36 | 司法制度
本日の参考記事→<17歳少女遺棄>岡崎市役所勤務の27歳男逮捕 Excite エキサイト : 社会ニュース

 事件がおきて、被疑者が逮捕され、勾留されて、起訴され、そして裁判で判決を受けるーこれが司法のプロセスですが、新聞での花形は逮捕記事でしょう。 
 被疑者が逮捕されると、犯人がつかまってよかったというような安堵した地域住民のコメントが出ることがありますが、これは逮捕されれば、勾留され、起訴されて裁判で有罪という構図ができあがっているからでしょう。
 逮捕をするのは、ほとんどが警察ですが、それでは、警察はいつ逮捕をすると決断するのでしょうか.
 現行犯逮捕はほとんど選択の余地はないですね.現行犯であるときですから。
 通常逮捕も裁判官の令状が既にありますから、これを警察としては執行するだけです。
 問題は、多分今回の参考記事でも使われたと思われる逮捕の手法ー緊急逮捕です。この逮捕、逮捕時点で裁判官の令状がなくても良いのですが、あとで裁判官のお墨付きをもらわなければなりません。
 つまり、警察がこれでオーケーと思っていても、あとで裁判官の審査を通らない可能性があるわけで、そうなった場合の警察の面子がまるつぶれになってしまいます。
 一方、緊急逮捕するような事案の中には、重大事件もありますから、そういう事案で”ここで逮捕しなかったら、犯人に逃げられてしまう”というプレッシャーも警察にはあると思います.
 私が見る限り、
  1 本人が認めている(自白)場合でも.
     それを裏付ける相当な証拠
を警察は必要としていると思います.
  2 本人が認めていない場合(否認)場合は、自白の場合よりもさらに裏付け証拠の量と質が必要とされてきます.
 今日の参考記事では被疑者は、死体遺棄容疑では逮捕されていますが、殺害を自供していても殺人では逮捕されていません。
 記事によれば、ある程度前から被疑者を任意で事情聴取していたようです。
 その後7月に死体が被害者のものだとわかったので、捜査が進展したとあるので、ここで被疑者も犯行を認める供述をしはじめたのかもしれません。
 このように逮捕は一定程度慎重に行われているようですが、そのために「自白」を警察が重視しがちであることになり、「自白」を取るために、警察が”否認している”と見ている者に対しては取り調べがきつくなりがちです。
 警察も人間ですから、否認していると見ている人間の中に、真に無実のものが紛れ込んでしまう可能性があり、それをチェックする態勢が必要とされてくるわけです.
 
人気blogランキング 法律・法学部門4位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)





 
[PR]
by cuts | 2005-08-30 07:03 | 刑事弁護
本日の参考記事→<死亡ひき逃げ>裁判官が「求刑軽い」と異例要求 岡山地裁 Excite エキサイト : 社会ニュース

 交通死亡事故の多い千葉で弁護士をしておりますと、国選で死亡事故を担当するケースがあります。
 今から10年前の弁護士なり立ての頃、一番最初に担当した交通事故事案は、前方不注意で追突させて相手を死亡させたという業務上過失致死(他の道交法違反話)というケースでした.任意保険はついていましたが、示談はできていたと思います.
人を一人死亡させておいて、これで執行猶予がつくのだろうか?
と当時量刑相場がわからなかった私は本気で心配しました。
 求刑ー禁錮1年4月
 判決ー禁錮1年4月執行猶予3年
おどろくほどあっさり執行猶予判決がでました。
その後も、業務上過失致死のケースを担当すると、禁錮1年4月求刑が続き、裁判官は執行猶予をつけるというケースが続き、そのあたりが量刑相場なのかと思ったものです。
 6,7年前、死亡轢き逃げというケースを担当しました。
 業務上過失致死と道路交通法違反(報告義務・救護義務違反)です。
 求刑ー懲役2年6月
 判決ー懲役1年8月
 示談ができましたので、求刑から相当程度下がりましたが、当時はこの程度の判決でした.
 
 ところが、時代が変わりました。
 世論に押されて、道路交通法の法定刑がアップしました(業務上過失致死は変わってませんが)。
 世論と法律の改正で、求刑もアップし、判決もだいぶ上になりました.
 今回の参考記事では、当初は検察官は懲役3年でしたが、裁判官の心証はそれよりも上だったのでしょう、もう少し上を求刑したらいかがかということを検察官に”釈明”し(実際は、要求したも同然ですが)、検察官は懲役4年に変更しました.
 裁判官は求刑に拘束されません.
 だから、懲役3年の求刑で、「懲役4年」と判決したって法律上は全然構わないのです.
 ただ、「求刑は宣告する刑の上限だ」と考えている裁判官が多いのも事実で、そういう裁判官の場合、今回のような釈明をするという考えにつながりやすいでしょう.
 今回のケースでは、文書で釈明を求めたというのが珍しく、多くは検察官に法廷外で連絡をつけていると思われます(いきなり検察官が、求刑を変更する、といってくるケースにでくわしたことがあります)。
 
人気blogランキング 法律・法学部門4位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)





 
 
[PR]
by cuts | 2005-08-29 07:22 | 刑事弁護
本日の参考記事→<悪質リフォーム>高報酬求めた”セールスマシン” Excite エキサイト : 社会ニュース

 世の中に犯罪は数多くあり、警察庁の方で定期的に統計が取られている中で、犯罪の認知件数という数で犯罪の数が増えたとか減ったとか言われています.
 しかし、認知件数にカウントされない事件、つまり、警察が犯罪と認知しないケースというのもこれまた多くあります.
 例えば、民事がらみの犯罪というものは、警察が犯罪被害の相談を受けても被害届を受理してくれないということがあり、犯罪と認知してくれません.
 私が破産管財人をした事件で、管財物件の自動車が破産宣告になる前に、何者かに持ち去られているケースがあり、横領か窃盗かのどちらかは間違いない事案だったのですが、警察では、
  窃盗→刑事1課
  横領→刑事2課
なので、刑事1課に行けば、これは横領だから2課に相談してくれといわれ、2課に行けば、これは窃盗じゃないかといわれ、お役所のたらい回しにあったことがあり、結局被害届は出せずじまいでした。
 弁護士が対応してすら、警察はこのような対応をすることがあるので、一般の方が応対した場合も、被害届すら出せない事案というのは結構あると思います(事実、そのような相談を受けます)。

 悪質リフォーム事件も世の中に埋もれていた事件です.
 この事件は、参考記事にもあるように、埼玉県に捨てられていた多額の現金から警察の動きが始まったものです.
 多額の現金が置き去りにされていた
 →実は、窃盗事件だった
 →被害者が多額の現金を家に置いておいたのは、悪質リフォームの営業によるものだった
 →窃盗の被害者を、悪質リフォームの関係で検挙
 →悪質リフォーム関係の捜査が全国で始まる

 このように警察が自らの突き上げ捜査で悪質リフォームという犯罪を解明したのはひとつの成果だと思います。
 しかし、その前から悪質リフォームというのは、被害者によって問題視されていたはずではなかったかと思います.
 警察は、民事がらみの知能犯罪には腰が引けがちなのですが、そのような方面にも犯罪被害者救済のため、是非力を注いで欲しいと思います.

人気blogランキング 法律・法学部門4位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)
[PR]
by cuts | 2005-08-28 08:41 | 犯罪被害

チェック体制の甘さ

本日の参考記事→警部補が事件57件放置 公文書棄損で書類送検 Excite エキサイト : 社会ニュース

 やらなければならない仕事が重なって処理がのびのびになるということは、誰しも体験のあることと思いますが、それが度を越すと「放置」といわれ、非難の対象になってきます.
 個人に全てを任せてしまうと、多かれ少なかれそのようなことを招きがちですので、チェックする体制を整える必要があり、「管理職」はそのためにいるのでしょう。
 警察では、刑事が事件を担当し、課長さんが事件の統括をしていると思うのですが、参考記事のケースでは、1998年から警察官が事件を放置したままにしてしまい、一部は時効にかかってしまっているということです。
 このように事件を放置するという記事はときどき見かけられますので、やはりおきがちなことなのだと思いますが、管理職がきちんとチェックしていれば、防げると思うのですが、そのような体制が残念ながらとられていなかったのでしょう.
 時効にかかってしまったのでは、被害に遭われた方もうかばれません。
 くだんの刑事は、停職処分に付され、辞職をしたということです、管理職の責任も問われることになるのでしょう。

 弁護士の場合、やはり事件は個々の弁護士に任されていることがほとんどです。事務所に複数の弁護士がいるところでも、各弁護士はそれぞれ独立の事業主という扱いですから、相互に事件をチェックするという体制は取られていないところが圧倒的に多いのではないかと思います.
 ただ、弁護士の場合は、事件処理が遅くなれば、依頼者から「どうなっていますか」という督促がありますから、それに促される形で事件を処理していけば、本来「放置」ということはありえないはずです。
 しかし、弁護士の懲戒されるケースが、日弁連発行の「自由と正義」という雑誌に毎月載るのですが、その中には、事件を放置したということで、懲戒されるケースもあります。
 依頼者が連絡しても弁護士に連絡できないということが、弁護士に対するクレームナンバーワンだそうですので、”依頼者との連絡が取れない”と言われないように気をつけなければいけませんね.


人気blogランキング 法律・法学部門4位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)


 
[PR]
by cuts | 2005-08-27 12:49 | 犯罪被害

弁護人の接見(面会)

本日の参考記事→検察庁舎の接見拒否で提訴 広島、最高裁の判断受け Excite エキサイト : 社会ニュース

 ”セッケン”というのは、刑事事件に携わる法曹関係者には頻繁に使う常識的な用語なのですが、これまた一般の方にはわからない言葉のひとつではないでしょうか。当事務所の事務員も、特に法律関係の仕事もしていなかったので、これが最初何を意味するかわからなかったようです。
 ”セッケン”を「接見」と書けば多少はお分かりいただけるかと思いますが、要は、
   被疑者被告人との面会
のことです。面会のことをわざわざ接見という必要もないのかもしれませんが、
  一般の方が面会する場合は、勾留場所の職員の立会いあり
  弁護人が面会する場合は、立会いなし
と立会いを認めるか否かの違いもあります。
 「弁護人面会」というよりは、「接見」の方が短いのでそれを使っているということでしょうか.
 いずれにせよ一般の方が裁判員になるときが来れば、「弁護人面会」と言い直す必要性があるかもしれません。

 本日の参考記事は、広島の弁護士が広島地検には面会室がなく、弁護人面会を拒まれたので、それを理由に訴えを提起したというものです。
 検察官が被疑者などを取調べする日があり、そのときは通常朝から夕方や夜まで被疑者などを検察庁内にある房に勾留し、取調べをするときに検察官の部屋に呼んで取調べをします.
 そのため、検察官調べがある日は、勾留されている警察ではなく、検察庁でなければ弁護人は面会できないのです(一般の方はこの日は面会はできません)。
 ところが、検察庁には面会施設がないところがあります。広島では地検本庁でもないようですね。
 千葉では本庁にはありますが、支部の検察庁にはありません。
 こんなときは、弁護人はどうしているのかというと、通常面会をあきらめていたのですが、広島の弁護士は「それはおかしい」と提訴したという記事です.
 記事にも触れられていますが、本年の4月19日に最高裁判決が出ていまして、検察官には弁護人が面会できるように配慮すべき義務があるという判断をしたので、それをももとに提訴したようです.
 330万円を請求していますが、そもそも勝てるかどうかわからない案件であり、買ったとしても裁判所が認める慰謝料はかなり低いですから、弁護士の採算という点では完全に赤字だと思います.
 弁護士が法律を実現する手段として提訴している、そんなケースです.

 なお、弁護人の接見・面会に興味のある方は、弁護士金子宰慶の実務刑事弁護の<接見・面会>の項目もご参照ください.

人気blogランキング 法律・法学部門4位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)
[PR]
by cuts | 2005-08-26 07:00 | 刑事弁護

常習累犯窃盗

本日の参考記事→盗み過ぎたと現金など返却 「生活費だけ」の泥棒逮捕Excite エキサイト : 社会ニュース

 物を盗めば窃盗罪です。
 参考記事のケースは、常習累犯窃盗罪に問われています。
 この常習累犯窃盗罪というもの、私は、司法試験に合格し、裁判所で司法修習をしていたときに初めて出っくわしました.
 一生懸命、刑法の条文を思い出しましたが、ぜんぜん出てこないのであせりましたが、それもそのはず、常習累犯窃盗罪は、
 「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」
という1930(昭和5)年成立のいまだに漢字カナ混じりの法律に記載されているからです(司法試験は刑法は試験の対象ですが、上記の法律は試験の対象ではありません).
 常習累犯窃盗罪が成立するには、
1 常習として窃盗罪又は窃盗未遂罪を犯したこと
2 今回の犯行以前の10年間の間に3回以上、懲役刑(6ヶ月以上のもの)の判決を受けていること
が必要です.
 つまり、単に常習性があるというだけではだめで、正式裁判になって判決をここ10年の間に3回以上受けていないと成立しませんから、ほとんど一般社会と刑務所を行ったり来たりしている(少なくともここ10年は)という方が多いです.

 さて、参考記事のケースでは、こんなに自分には必要ないとかパスポートなどは被害者が困るだろうからということで、後日被害者に返しているということです。
 法律上は、物自体を取った時点で、その全額について窃盗罪(このケースの場合常習累犯窃盗罪)が成立してしまいますから、あとでいくら物を返しても窃盗罪が成立しなくなるわけではありません.
 ただ、金品が一部でも返還されているということは、その分、事後的ではあっても実際の被害が減ったということにはなりますから、裁判になった場合は、そのことは情状として考慮されます.つまり、窃盗罪は成立するけれど、刑を決める上で、まったく返還していない事案に比べると、刑を低くすることになります。

 窃盗犯は自分がいらないと思ったものは、捨ててしまうことが多いのですが、被害者に返しにいったというケースは私も聞いたことがありません.自分が犯人とばれるリスクを負いながら、被害金品を返しにいった犯人の心理にはなかなか微妙なものがありますね。

人気blogランキング 法律・法学部門3位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)
[PR]
by cuts | 2005-08-25 07:36 | 刑事弁護

駐在所での凶行

本日の参考記事→<中学生逮捕>「拳銃を奪おう」と警察官の背中刺す 宮城県Excite エキサイト : 社会ニュース

 この事件、駐在所内での事件です。
 県警というのは、
  県庁所在地に県警本部
  所轄地区に警察署
 があり、その下にさらに交番と駐在所があります。
  交番は、主として都市部に設けられ、複数の警察官が交代制で警戒活動を行う施設で
  駐在所は、原則として1人の警察官が勤務場所と同一施設内に居住しながら地域住民の安全を行う施設
です。
 つまり、駐在所はどちらかというと片田舎に設けられていることが多いということで、そうであるがゆえに一人での勤務でも可能なのでしょう。
 今回事件のおきた駐在所もまさにそんなところのようで、朝日新聞の記事によれば、少年が訪れてきて、「夏休みの自由課題で駐在所の仕事について興味があるから」との言葉に対し、被害にあった警察官が30分間説明をしたということです。
 突然訪れた少年に懇切丁寧に30分説明をしたことは、まさに地域住民とのふれあいを大切にする駐在所の理念に沿ったもので、日本人の警察官に対する信頼感というのはこのような一人一人の警察官の住民に対する丁寧な応対に裏付けられていると思います。
 話はちょっと横道にそれますが、筆者も小学生の低学年のころ、道ばたに落ちていた10円とか100円を拾って、交番に届けたことがありますが、交番の警察官は嫌な顔一つせず笑顔で応対してくれていましたね。

 ところで、
 被疑者の少年は、
  殺人未遂+公務執行妨害
で逮捕されていますが、少年の目的が拳銃の強奪にあったとすれば、今後
  強盗殺人未遂+公務執行妨害
に切り替えて捜査される可能性が強いですね。
 少年事件の手続について以前も書いたブログがあり、この記事にトラックバックしておきますので、興味のある方はそちらもご参照ください。

 
人気blogランキング 法律・法学部門1位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)


 
[PR]
by cuts | 2005-08-24 09:13 | 刑事弁護

迷惑防止条例

本日の参考記事→<山陽新聞社員>女子高生の盗撮容疑で逮捕 岡山県警 Excite エキサイト : 社会ニュース
<痴漢行為容疑>農水省調整官を逮捕 女性の体触り 埼玉 Excite エキサイト : 社会ニュース

 痴漢行為や盗撮行為で有名人や一定の社会的地位のある人が逮捕されますと、ニュースになります.
 本日の参考記事も、一つは新聞記者の盗撮行為、一つは、国家公務員の痴漢行為です。
 これらの行為は、いずれもその県の迷惑防止条例に罰則があります.
 迷惑防止条例というのは略称です。千葉県の場合は、正式名称は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」といいます。
 条例というのは、都道府県ごとに作られるものなので、条文は微妙に異なるかもしれませんが、痴漢行為や盗撮行為は、千葉県の場合、
 「何人も、女子に対し、公共の場所又は公共の乗物において、女子を著しくしゆう恥させ、又は女子に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない」
という条文で痴漢行為や盗撮行為が禁止されています(3条2項)。
 これに違反すると、
  6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
ですから、初犯の場合は罰金で終わる場合が多いと思います.
 このような場合、逮捕されないで、在宅で事件を処理するという選択肢もありうるわけですが、参考記事のケースではいずれも逮捕されています.
 新聞社員の事件では、記事によれば、一時逃走したようですから、逮捕されてもやむをえないと思われますが、国家公務員のケースは事実関係も認めているようであり、なぜ逮捕されたかについては記事だけではよくわかりません。
 どの事件をどのような場合に逮捕するのかは、警察ごとに微妙に違ったりする場合もあります。
 弁護士から見て、逮捕しても違法とはいえないが、逮捕しなくてもよかったのではないかと思われるケースについても、手をこまねいていると、勾留されてしまうこともありますので、当番弁護士を呼ぶなどして対処された方が良いと思います.


人気blogランキング 法律・法学部門1位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)
[PR]
by cuts | 2005-08-23 07:28 | 刑事弁護

「窃盗に罰金」は必要か

本日の参考記事→「窃盗に罰金刑」導入へ=法務省が法制審で検討Excite エキサイト : 主要ニュース

 勾留されている被疑者・被告人の最も関心のあることは、自分の処分がどうなるのかということです。
 房の中でもそのような話題が頻繁に交わされているらしいのですが、あるとき窃盗事件の被告人から、「(房の中にいる)ほかの人から窃盗でも罰金刑があると言っていたんですが、私、罰金刑にならないでしょうか」と尋ねられたことがあります。
 現在の刑法では窃盗には罰金刑はないので、「今の刑法には罰金刑はないよ。起訴されたら、刑務所に行くか(実刑)又は執行猶予付きの裁判のどちらかしかないですよ」と回答しました。
 参考記事によると、法務省が、窃盗などの財産犯に罰金刑を導入することを考えているということです。
 法務省のねらいは、「少額な万引など軽微な事件では、懲役刑とするには酷なケースが多く、これまでは検察官が起訴猶予にするなどしていたが、罰金刑の導入により略式裁判による簡易な手続きでの処理も可能になる。犯罪の程度に応じた弾力的な処罰を実現するのが狙いだ。」(参考記事)ということで、まあ、確かに正式裁判をして懲役刑(執行猶予付きでも)とするには酷だが、不起訴にするほどでもないという事件はあるとは思います。
 しかし、そもそも窃盗をするのは、お金の人がほとんどであり、そのような人に罰金刑を科すとすると
1 周りの人にお金があれば、罰金を払うのは親族などであり、加害者が支払うことにならない可能性が大
2 逆に、周りにお金を出してもらえる人がいない場合は、加害者は罰金の代わりに一定期間(通常5000円を一日で換算する)拘置所で働かざるをえなくなり、お金のある人と比べて不公平感があります
3 被害者サイドとしても、被害弁償をうけないうちに罰金刑にされてしまえば、被害弁償金さえとれないということにもなりかねません(罰金は国に入ってしまい、被害者にはいきません)
4 法務省サイドとしても、罰金の執行をすべて行うことができるのかどうか(現在でも罰金の未納というのは相当な額に上っています)
というような問題がありそうです。
 法務省サイドの提案は、検察官にはやりやすい制度かもしれませんが、被疑者・被告人のためや被害者のためになるのかはどうも私の目から見ると疑問です。
 私としては、罰金刑でなく、判決の宣告猶予制度(判決の宣告自体を猶予する)を導入した方がよいように思います。
 これなら、判決の宣告自体を猶予するわけですから、被告人に懲役刑という刑が科される訳ではなく、被害弁償自体も促進することが可能(被害弁償したら宣告猶予にすればよい)ではないでしょうか。

人気blogランキング 法律・法学部門1位(記事掲載時)
-現在のランキングについては、こちらをクリックしてください.(こちらをクリックしていただくと当ブログのポイントがあがります)
[PR]
by cuts | 2005-08-22 09:02 | 司法制度