主に千葉県における刑事弁護など


by cuts
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泥湯温泉事故と過失

泥湯温泉事故で4人死亡
Excite エキサイト : 社会ニュース

 このニュースを見た時は、硫化水素ガスなるもの自体、全く知らず、そんなに恐ろしいものが世の中にあって、温泉街で噴出していることがあるんだとはじめて知ったのですが、その後、温泉街(今回の温泉とは別)で働いていたことのある知人に話を聞いたところ、温泉街周辺では硫化水素ガスが噴出することがあるというのは常識に属するものということです。
 そうすると、たまに温泉に行くだけで硫化水素ガスの怖さなど全く知らない人には、温泉宿側から注意してもらわないと、今回のようなことがまた起こりかねないですね。
 もっとも、記事では、
 ”湯沢保健所によると、温泉の利用基準などを定めた温泉法は、浴場など施設内の硫化水素ガスの濃度基準は定めているが、屋外の源泉噴出口付近などの濃度については安全基準を設けていない。現場周辺は立ち入り禁止の看板もなく、同保健所は「注意喚起などの指導は特にしていなかった」としている。”
 ということで、保健所ですら、注意喚起指導をしていない場合に、温泉宿泊所に注意喚起する義務があったのかどうかというのは、法律上は微妙になってくるかもしれません。
 事故が起こり、死傷者がでれば、警察も業務上過失致死事件として立件できるかどうかということで動き出し、事故が過失によるものであれば、民事上・刑事上の責任が生じてきますし、過失がなければ民事・刑事上の責任を問われないことになります。
 「過失」というのは、注意義務に違反する行為という風に言われているのですが、温泉宿泊所に硫化水素の噴出口付近を立ち入り禁止区域にするとか、少なくともお客さんに注意を呼びかける義務があったのかということが問題になってきます。
 これらの義務があったかどうかというのは、これまで同様の事故がおきていたのかどうかということもかかわってきますが、これまでの報道からすると同様の事故についての記事は載っていないようですね。

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by cuts | 2005-12-31 09:41 | その他
中学校教諭が女性に抱きつき、暴行罪で現行犯逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

 「暴行」というのは、日常用語でもありますが、これがどういう意味かと問われるとなかなか答えにくいものです。
 Yahooの辞書では”乱暴な行為”、”暴力を用いて人身に危害を加えること”となっていました。
 刑法で「暴行」という場合、”有形力の行使”というように定義されています。
 ”有形力の行使”というだけでは、何がなにやらさっぱりわからないですが、法律の諸学者の頃は、これを「暴行」=”有形力の行使”と念仏のように覚えるわけです。
 ところで、女性に抱きつくという有形力の行使をすると、考えられる犯罪としては、
1 暴行罪
2 強制わいせつ罪(未遂)
3 強姦罪(未遂)
が考えられます。
 これらの犯罪を分けるのは、被疑者がどのような犯罪の故意をもっていたのかです。
 わいせつな行為をしようとする故意があれば、強制わいせつですし、
 強姦をしようとする故意があれば、強姦罪ですし、
 それ以外であれば、暴行罪
となります。
 (厳密に言うと、それぞれの暴行の程度も違うのですが、難しくなるので、これ以上はやめます)
 暴行罪で逮捕されていても、そのまま暴行罪で警察・検察が処理してくれるかどうかは別個の問題で、捜査を進めていくうちに、暴行罪ではなく、強制わいせつや強姦罪に該当するという疑いが濃厚になれば、容疑を切り替えたり、起訴の段階でそれらの犯罪として起訴したりということは珍しくありません。

 ところで、記事では、この逮捕された中学校教諭が職業を当初偽ったということですが、私立中学校の教諭であれば、地方公務員であり、 
 正式裁判で起訴されれば停職
 正式裁判で有罪判決(禁錮以上の刑)が確定すれば、執行猶予でも免職
になります。
 罰金で終われば、免職以下の処分で済みますので、罰金で終わるか、正式裁判かは
自分の職業を続けられるかどうかの大きな分かれ目となります。
 もっとも、こう大きく実名を報道されてしまっては、教師という職業柄、どのような結果になるにせよ、続けること自体が難しいという気もしますが・・・

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by cuts | 2005-12-30 08:28 | 刑事弁護
国民健康保険の停止により、受診できず死亡する例も
Excite エキサイト : 主要ニュース

 各地の弁護士会では、クレジットサラ金関係の相談をしています。
 千葉県弁護士会でもサラ金相談を行っています(予約電話番号はこちらです)。
 このサラ金相談の相談者に私も登録していますが、この相談で来る方の中で、「サラ金の債務の支払いが大変で、国民健康保険まで支払えない」という理由で、国保を全く支払っていない又は未納があるという方はときどきいます。
 国保を支払わないと、
 1 保険証を返還しなければならない
 2 代わりに「被保険者資格証明書」や「短期保険証」を交付されるが、この資格証明書では、窓口で医療費をいったん全額支払わなければならない
ことになっています。
 月々の国民健康保険料が支払えない方が、医療費を全額支払うことは難しく、結局よほど重病にならない限り受診しないということになります。
 このような医療機関の受診の遅れから病状が悪化し、死亡したとみられる患者が共同通信の調べでは、過去6年に少なくとも11人いたということですが、掘り起こせばもっといるような気がします。
 冷静に考えれば、国保を支払わなければ、上記のように停止となってしまうわけですから、国保の保険料は最優先に支払うべきものですが、取立てがサラ金のほうが厳しく、お金はどうしてもそちらの方に回ってしまうのです。
 国保を支払っていない方には、「とにかく国民健康保険料だけは支払ってください。病気になった時に大変ですから。」とアドバイスしています。
 もちろん、これができるためには弁護士が代理人となり、きちんと債務を整理するというのが前提になります。
 国保未払いの問題は、収入がない方や収入があっても過剰な債務を抱える方にはつきまとう問題であり、繁栄したと見られる日本社会でも、そのような形で”貧困”の問題が顔を出しているように思います。

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by cuts | 2005-12-29 08:08 | 債務問題

検察事務官という仕事

山形特急脱線事故で5人目の死亡者は検察事務官
Excite エキサイト : 社会ニュース

 山形特急脱線事故で5人目の死亡者は検察事務官の方でした。
 検察事務官は、検察庁の事務方です。
 検察庁独自で試験を実施し、事務官を採用します。
 検察庁の事務には、
  ・事件の受付・管理
  ・被疑者・被告人の逮捕・勾留に関する管理
  ・罰金の支払いの管理
  ・記録の管理
などがあり、検察事務官はこれらの事務方を担当しています。
 このほかにも、取り調べる検察官の横に座って、検察官が取り調べた結果を口頭で読み上げるので、それを清書する(今は、もちろんコンピューターに入力するわけですが)という職務もあります。
 検察事務官からさらに内部の試験を通れば、副検事、検事という検察官の職につくことも可能です。
 検察庁には、県庁所在地に本庁があり、さらに県のいたるところに支部がある(この辺は裁判所も同じです)のですが、今回お亡くなりになられた方は山形地検鶴岡支部に勤務されていたとのことです。
 小さいところですと、検察事務官が数名しかいない検察庁の支部もありますから、あまり目立たないけれども、地域でこじんまりと役目を果たしているというところもあるわけです。
 
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by cuts | 2005-12-28 07:33 | その他

鉄道事故と過失

JR羽越線特急脱線事故、猛烈な突風という見方
Excite エキサイト : 社会ニュース

 事故が起こり、死傷者がでれば、警察も業務上過失致死傷事件として立件できるかどうかということで動き出します。
 事故が過失によるものであれば、民事上・刑事上の責任が生じてきますし、過失がなければ責任を問われないというのが、法律です。
 そうなると、「過失」というのが、責任を分ける大きなキーワードになるわけですが、「過失」というのは、注意義務に違反する行為という風に言われています。
 法律上守らなければならない注意義務というのがあって、それに違反する行為を「過失」ととらえるわけです。
 問題はその注意義務の中身ですが、列車事故ですと、列車運行に通常求められる運転士の義務を参考にした上で、ケースバイケースで決められることになります。
 上記の記事では、猛烈な突風という見方がでており、これが通常予想できる範囲内であれば、過失ありという方向で考えられますが、そうでなければ過失なしの方向性が強くなってきます。
 いずれにせよ事故態様を確定する作業だけで、大仕事だと思います。
 その上で、関係者の事情聴取を行い、鉄道専門家の意見も聞いた上で、過失の有無を判断するということになりましょう。

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by cuts | 2005-12-27 10:45 | その他
また仙台でアーケード街を車が暴走
Excite エキサイト : 社会ニュース

 今年4月には、現場近くの別のアーケードで、車が暴走という事件がおきている仙台。
 また、同様の事件がおきてしまいました。
 被疑者は、
  業務上過失致傷+道路交通法違反(ひきにげ)
で現行犯逮捕されたということですが、マスコミに「犯行予告」をしていたということであれば、この事件、故意の犯罪の側面が大きいのかもしれません。

 車を使った犯罪で人を怪我させた場合、被疑者の内心(被疑者がどのように考えていたかということ)によって、どのような犯罪が成立するのかが変わってきます。
 *通常の交通事故=人に怪我をさせようと思って車を走らせているのでない場合
→業務上過失致傷
 *危険運転の認識があった場合→危険運転致傷
 *人を怪我させてもよいと思って車を走らせた場合→傷害罪
 *人が死んでもよいと思っていた場合→殺人未遂罪
 このように、被疑者の内心で犯罪が変わってくるわけですが、内心というのは被疑者の自白だけで認定するわけではありません。
 被疑者の犯行前後の行為や犯行の態様といった客観的なものも重視してみていきます。

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by cuts | 2005-12-26 07:37 | 刑事弁護
兵庫県でカップルが2時間連れまわされる
Excite エキサイト : 社会ニュース

 ”犯罪件数は減っているが、体感治安はあいかわらず悪いまま”
と少し前に報道されていましたが、まさに「体感治安の悪さ」を感じさせる犯罪。
 このような理由のよくわからない犯罪が以前よりも増えたことが、「体感治安」の悪さを物語るものでしょう。
 普通に生活しているところにいきなり飛び込んでくる犯罪。
 今回の犯罪もそうですし、振り込め詐欺もまさにそのひとつです。

 ところで、今回のケースでは、傷害+逮捕監禁罪が問題になっています。
 逮捕罪と監禁罪は一応別個の罪で、
 逮捕罪=人の身体を直接拘束して、自由を奪うこと
 監禁罪=一定の区域からの脱出を不可能もしくは著しく困難にすること
です。
 もっとも、逮捕の後、監禁した場合は、逮捕監禁罪だけが成立します。
 今回の記事で、逮捕監禁罪の容疑なのも、逮捕した後監禁した(車に閉じ込めた)からでしょう。

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by cuts | 2005-12-25 17:13 | 犯罪被害
地方の医学部の地方出身者囲い込み策
Excite エキサイト : 社会ニュース

 ”地方の医師が不足する中、地域に根付いた医師養成のため、地方大学を中心に、地元出身者の入試枠をつくるなど、人材確保の取り組みが始まっている”
そうです(上記記事)。
 文部科学省も「大学の医学部は地域医療の中核。地元出身者が増えるのはいいこと」とお墨付き。
 医者については、過疎対策というものが熱心に取られていますが、弁護士にはほとんど取られていません。
 弁護士のほうが、医者以上に都市に集中しているのですが・・・。
 裁判所は日本のすみずみに支部や簡易裁判所を持つのですが、弁護士は都市に集中してしまっており、東京には1万人以上の弁護士がいるのに、鳥取には30名の弁護士しかいません。
 都道府県の中でも、県庁所在地に弁護士は偏っており、そのほかの地域の中では弁護士が一人か一人もいない地区もあります。この傾向は特に東北、北海道地区に多いです。
 日弁連では、このような弁護過疎地域に対する対策を採っていますが、医療の世界のように大学や地方自治体を巻き込むまでのものにはなっていないようです。
 この辺に、日本人の医師に対する考えと弁護士に対する考えの差がでているような気がします。
 
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by cuts | 2005-12-25 08:30 | 司法制度
脳脊髄(せきずい)液減少症裁判で和解
Excite エキサイト : 社会ニュース

 毎日新聞は、交通事故関係の記事に特徴がありますが、脳脊髄(せきずい)液減少症にも興味をもっておられるようで、このエキサイトニュースにも結構記事が出てきます。
 交通事故では、むち打ち症が起こることが多いですが、その中の難治性むち打ち症の真の原因ではないかといわれているのが、脳脊髄(せきずい)液減少症です。
 ”交通事故やスポーツなどによる衝撃で脳をおおう硬膜に穴があくと、脳と脊髄(せきずい)の周囲を循環している脳脊髄液が漏れて脳の位置が下がり、頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れるもの”(健康用語辞典のサイトから)
というものです。
 交通事故が原因か否かは、それぞれ個別のケースごとに決まりますので、加害者(=保険会社)側が
 1 このケースではむち打ち症の原因は脳脊髄液減少症ではない
 2 脳脊髄液減少症があったとしても、それは交通事故が原因ではない
という主張をしてくることは十分考えられるわけです。
 記事にも。
  ”加害者側は「この程度の事故で髄液が漏出することは医学的に考えられない」とする整形外科医の意見書を基に、事故との因果関係を否定した”
とありますが、このように加害者(=保険会社)側は、意見書を書いてもらえる医師を持っていますので、そのような意見書で反論してくるわけです。
 これに対して、被害者側も医学的に反論せざるを得ないわけで、その苦労は並大抵ではなかったと思いますが、今回勝訴的和解が成立したということは、原告側の立証が成功したということでしょう。

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by cuts | 2005-12-24 07:17 | 民事裁判
重大事件は続いているが、犯罪件数は減っている
Excite エキサイト : 社会ニュース

 今年1月~11月の犯罪情勢、警察庁発表では、刑法犯の事件数は減少ということです。警察は、殺人、強盗、放火、強姦を「凶悪犯」と位置付けていますが、この凶悪犯も件数自体は減っています.
 しかし、事件報道などを見ると、子どもを狙った事件や複数の人間が殺される事件などその凶悪さが社会の人々に衝撃を与えるケースが増えているような気がします.
 この間、裁判官と千葉での刑事事件の件数などについて聞きましたら、「事件自体は減っていますね.ただ、共犯で複雑な事件は目立つ」ということでしたので、犯罪統計と実感とは一致しているのだなあと思いました.
 犯罪件数が減っているのは、やはり景気が回復しているからなのでしょうかね。
 犯罪件数が減るのは良いことだと思います.
 ただ、一方で、刑務所への過剰収容は続いているようで、昨日の日経新聞でも「刑務所の定員を17%超えて過剰収容が行われている」と報じられていました。
 女性刑務所は日本で二箇所しかありませんが、これも満杯で、裁判が確定したら本来は刑務所に行くはずですが、拘置所で3ヶ月tも4ヶ月もいるという状態が女性の場合続いているそうです.
 このような状態では、少なくとも刑務所で矯正するという目的自体が果たされないことは明白ですが、刑務所というのは地域住民にとっては迷惑施設でそう簡単には建てられず、過剰収容を解決する手段はそう簡単には立たないでしょう.
 このひずみが将来でなければよいのですが・・・

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by cuts | 2005-12-23 08:22 | 刑事弁護