主に千葉県における刑事弁護など


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堀江氏に対して保釈決定
Excite エキサイト : 社会ニュース

 ライブドア事件で堀江氏に保釈決定がなされました。

 まず、保釈とはなんなのか?と疑問に思われるかたもいるでしょう。
 保釈は、起訴後に認められるもので、起訴される前の逮捕・勾留段階では保釈は認められません。

 起訴されたのだから、必ず保釈できるかというと、そう簡単にはでません。
 法律(刑事訴訟法)には、起訴されて保釈の請求があれば、
  原則→裁判官は保釈をすることとなっているのですが、
  例外があって、→「罪証隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があれば保釈はださなくてもよいとなっているのです。

 「罪証隠滅」ってなんだろうというところですが、たとえば、保釈で外に出て、事件関係者と話したりして、俺に有利なことを言ってくれよとか、あのことは言わないでくれよというような口裏合わせ、これは立派な罪証隠滅行為です。

 事件自体を否認していると、ある程度裁判が進むまで、保釈がでないことがとても多いです.

 今回の堀江氏の事件では、何回か保釈請求をしていましたが、いずれも認められませんでした。
 今回の保釈請求で認められたのは、それまでの保釈請求のときと事情が異なると裁判所が認めたからでしょう。
 報道されている保釈の理由は、

1 被告は既に最高責任者の地位を辞して影響力が著しく低下し、共犯者も犯行を認めて被告とたもとを分かち、証拠隠滅の恐れは従前に比べはるかに低くなった
2 検察側の証明予定事実記載書(冒頭陳述の簡略版)に対し、弁護側は即日、意見書を出し、(迅速化のため初公判前に争点を絞り込む)公判前整理手続きに協力する姿勢を示した。同手続きでは弁護側と被告とが十分に打ち合わせる機会が必要

というものです。

 2の方で、書かれている公判前整理手続きというのは、昨年の秋に施行された新しい制度で
争点を絞り込んで迅速に裁判を行うための手続きです。争点を絞り込むためには、被告人と弁護人が頻繁に打ち合わせる必要があり、裁判所はその必要性からも保釈を認めたと考えることができます。
 新しい保釈の運用として、注目されてよいと思います。

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by cuts | 2006-04-29 10:23 | 刑事弁護
騒音を出したことによる傷害罪で実刑1年の判決
Excite エキサイト : 社会ニュース

 懲役1年の実刑判決を出したということですが、これから実際に1年間いくのかというとそういうわけではないはずです。

 通常、実刑判決というのは、こんな風に宣告されます
「被告人を懲役1年に処する
 未決勾留日数中〇日をその刑に算入する」

 通常の報道では、この、「被告人を懲役1年に処する」の部分だけ報道され、「未決勾留日数中〇日をその刑に算入する」というのは報道されません。

 未決勾留日数というのは、判決がでるまでの間に勾留されている日数です。
 その間の何日を実刑から差し引くのかを裁判所が決めるわけです。

 たとえば、2月1日から勾留されて、4月1日に判決があった場合、2月1日から4月1日まで勾留されているのですから、未決勾留日数は60日になります。
 この60日を全部算入するということは通常はありません。
 通常は3分の1から2分の1くらいのところです。

 この未決勾留日数の算入があるはずなので、「懲役1年の実刑」と報道されていても、そこから引かれる日数がありますので、1年間懲役に服するわけではないということになります。

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by cuts | 2006-04-22 09:37 | 刑事弁護
13歳の弟が、高校1年生の兄をけんかで死なせてしまった事件
Excite エキサイト : 社会ニュース

 この事件で、弟は「補導された」となっていて、逮捕されたとはなっていません。
 どうして逮捕されないんだと思った方もおられることでしょう。

 13歳の少年は逮捕できません。
 逮捕自体が法律で許されていないからです。
 逮捕するには、犯罪が行われたという疑いが必要ですが、 刑法で、”14歳未満の行為は犯罪が成立しない”となっており、「罪を犯した」ことになりません。
 つまり、「犯罪」にはならないのです。

 こういう場合は、「犯罪」にはならないけれど、法律に触れた行為はしているので、「触法」という言い方をします。
 ですから、何ら処分がないということではありません。

 少年法では、「14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年」は、児童相談所長から送致を受けた場合は、家庭裁判所で少年を審判に付することができることになっています(少年法3条)。

 児童福祉法では、
 「要保護児童を発見した者は、児童相談所等を介して児童相談所等に通告しなければならない。」と規定されており(児童福祉法25条)、この規定に基づいて通告するということになりそうです。
 警察は補導したあと、この通告の手続きをとるようになるのではないでしょうか。
 
 なお、少年補導については、警察庁がホームページで詳しく解説していました(→こちら

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by cuts | 2006-04-16 08:41 | 刑事弁護

武装すり団は「強盗」か

武装すり団、西日暮里駅スプレー噴射事件
Excite エキサイト : 社会ニュース

 警察官から職務質問を受けた男4人組が、突然催涙スプレーのようなものを噴射して、22人に傷害を負わせたというニュース。
 4人のうち、1名は傷害と銃刀法違反で逮捕されています。

 他のブログをみていましたら、「なぜすり団なんだ、強盗団ではないか」というものを目にしました。確かに、「武装すり団」というのはネーミングとして違和感をいだく人もいるのではないでしょうか。
 マスコミとしては、もともとはすりをするための団体で、見つかったときに備えて武装しているということから、「武装すり団」と名づけているのかもしれませんが、こういう場合、法律的にはどうなるでしょうか。

 すりというのは、法律上は、「窃盗罪」であり、「強盗罪」とは明確に区別されます。
 強盗というと、当初から暴行や脅迫を用いて財物を奪うものが典型的ですが、最初は物を盗むことしか考えておらず、物を盗んだあとに、警察などに発見されて、その警察官を殴って傷害をおわせたというような場合は、やはり強盗罪にあたります。

 当初から暴行や脅迫を用いて財物を奪うという典型例と区別するために、「事後強盗」といいます。
 
 ではやはり、今回のケースは強盗ではないか、なぜ傷害で逮捕しているんだという疑問がわいてきそうですが、これは窃盗について、少なくとも逮捕段階で証拠がないからでしょう。
 逮捕した段階では、傷害(とあと銃刀法)での証拠はあったものの、窃盗については証拠がないので、とりあえず傷害などで捜査を進め、強盗の証拠が固まれば、起訴する段階では強盗に変える可能性もあるのではないでしょうか。

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by cuts | 2006-04-07 07:55 | 刑事弁護
川崎マンション投げ落とし事件関係で、殺人未遂の疑いで男性を逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

川崎マンション投げ落とし事件では、
 3月20日 小3男児の投げ落とし事件(殺人事件?)

 3月29日 女性清掃員の投げ落とし未遂事件(殺人未遂事件)
があり、
 今回の報道は、3月29日の殺人未遂事件で出頭してきた男性を逮捕したというものです。

 男性は、小3男児の事件についても「殺そうと思って投げ落とした」と供述しているということで、これなら殺人事件でも逮捕できるのになぜしないのか?という疑問が生じるかもしれません。

 刑事事件での逮捕は、事件ごとに行わなければならないことになっています(事件単位の原則)。
 しかも逮捕するには、被疑者が「自分がやりました」と自白するだけでは足りません。
 その自白がある程度の裏づけが取れて信用できるものだというところまでの証拠がないと逮捕できないのです。

 女性清掃員の投げ落とし未遂事件では、被害者(女性清掃員)が「犯人はこの人に間違いないです」などといえば、被疑者の自白を補強することになりますので、逮捕が可能になったものと思います。

 小3男児の事件は、殺人行為そのものを目撃した人は今となっては被疑者しかなく、被疑者の自白があっても、それが信用できるものか否か慎重に検討する必要があるので、その検討を終えた後、信用があるとすれば逮捕にふみきると思われます。

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by cuts | 2006-04-02 07:17 | 刑事弁護