主に千葉県における刑事弁護など


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司法解剖の役割

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死亡女児の遺体に頭蓋骨骨折のほかに皮下出血あることがわかるという報道
Excite エキサイト : 社会ニュース

 秋田男児殺害事件の被疑者が、自分の娘を殺害したのではないかという殺人容疑で再逮捕されております。

 その関連で、死亡女児の遺体の状況が警察あたりからリークされてきているのでしょうが、記事には、「遺体に多数の皮下出血があることも分かった」と書いてありますが、遺体はすでに火葬にふされて葬られているわけですから、これらはすでに警察にとってはわかっていたことのはずです。
 この死亡女児については、警察は当初事故死と見ており、事件性はないと判断していました。

変死の疑いの有る死体というものは、警察官が検視というものをします。
ここで事件性があるかどうかふるいにかけるわけです。
検視というのは、鑑定とは違いますから、解剖はしません。
遺体の外表を検査して、どこに傷があるかということを見るわけです。
検視して、これは事故であって、事件性がないとなれば、警察のほうの捜査はそれ以上進みません。
今回のケースそのような経緯をたどったのではないかと思います。

事件性を疑えば、司法解剖に付して、死因を究明し、事件性があったか否かをより究明できたはずですが。

司法解剖に付される率は諸外国に比べて日本は低いようです。
司法解剖に付されるまでにはさまざまな問題があるようです。

この点については、千葉大学法医学教室ほホームページ柳原三佳「死因究明」が参考になります。
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# by cuts | 2006-07-17 06:31 | 刑事弁護
人気blogランキング 法律・法学部門25位(記事掲載時)

2歳女児虐待により死亡、両親を傷害致死容疑で逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

虐待のニュースはとぎれることがありません。
いつから日本はこうなってしまったのかと思います。

私が高校生のころ(もう20年以上前です)、FENという米軍の放送を英語がわからないながら聴いていましたが、繰り返し
 child abuse(幼児虐待)
という言葉が聞こえていました

 今から思うと、「幼児虐待はいけませんよ」とか「そういうのがあったら相談してください」という内容だったような気がします。
 日本ではそんなニュースは当時聞いたことがなかったので、そのときはアメリカ人はそんなことを気にしなければならないなんて大変だなあと思っていましたが、今では日本でも・・・という感じです。

 ところで、このような虐待のケースでは傷害致死容疑で逮捕→起訴というケースが多いです。
 殺意があって人を死亡させれば、殺人罪
 殺意がなくて人を死亡させれば、傷害致死罪
ですから、問題は「殺意」です。

 この「殺意」というもの、本人の自白がなくても、たとえば、凶器(銃とか刃物類)を使用したとか、どの部分をめがけたのかという客観的なところから認定していくのが、裁判官の事実認定のやり方です。

 虐待ケースでは殺人にならないのか?というのは素朴な疑問としてあるところですが、検察官は虐待のケースは殺人で起訴するのは慎重ですね(本件はどうなるかわかりませんが)。
 というのは、やはり凶器を使用していないというのが一番大きいのではないでしょうか。
 虐待ではなく、たとえば、被害者を囲んで数人でリンチして死亡させてしまったというケースでも、素手で被害者を死亡させてしまった場合は、これは殺人で起訴されるかもという場合でも、傷害致死だったりしますし。

 検察官が「傷害致死」で起訴してしまいますと、裁判官は「これは殺人」とは認定できません。
 これは、検察官の起訴よりも被告人から見て重くはできないという法律の原則があるからです。
 ですから、裁判員制度になれば、虐待で死亡したようなケースは、裁判員の適用になりますが、裁判員が「これは殺人だと思います」といっても、傷害致死の限度でしか認めることができないのです。 
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# by cuts | 2006-07-07 21:14 | 刑事弁護
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橋本元首相逝去、遺体は病理解剖に
Excite エキサイト : 社会ニュース

 私の仕事の中で「解剖」といえば、一番よく目にするのは司法解剖なのですが、解剖には、そのほかに、行政解剖や病理解剖があります。

 病理解剖(びょうりかいぼう)とは、病気で亡くなったヒトを対象にして、臨床診断の妥当性、治療の効果の判定、直接死因の解明、続発性の合併症や偶発病変の発見などを目的に系統的な解剖を行うことです(Wikipediaより)。

 病理解剖(類義語:剖検)は
  医師の依頼+死亡した患者の家族の承諾
が必要です。
 この遺族の承諾が必要とされているところが、司法解剖などとことなるところです。

 法律上の根拠があるのかなと思いましたら、あるのですね。
  死体解剖保存法
です。
 この法律にどんな医師が解剖できるのかとか、遺族の承諾が必要だということが規定されています。

 日本人は死体を解剖されることに抵抗を示す方が多いと一般的にいわれます。
 橋本元首相の場合は、医学的に解剖をすることが意義があると判断されたケースなのでしょうが、そういうケースばかりでなく、遺族が死因に納得できない場合(たとえば、医療事故があるのではないか)に病理解剖をした方が後々の紛争の糸をもつれさせないためにも必要になってくる場合があります。
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# by cuts | 2006-07-03 07:16 | その他
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光市母子殺害事件で最高裁判決
Excite エキサイト : 社会ニュース

 最高裁は、基本的には憲法違反や判例違反を裁くところです。
 しかし、それだけでなく、二審の事実認定が違っていたりする場合に、これは重大な事実の認定の間違いであって是正しないと駄目だろうという場合は、事実認定の問題に踏み込んだりもします。
 
 刑事事件で量刑、つまり、どの刑にするが適正なのかということについては、最高裁は基本的には口出しをしません。
 ただし、その量刑が「著しく正義に反する」場合は、最高裁が判断することができることとなっています。
 単に不当であるとか、正義に反するくらいの状態では最高裁が判断をすることはなく、「著しく正義に反する」場合のみです。

 今回のこのケースでは、死刑なのか無期懲役なのかということに、最高裁が二審の判断が「著しく正義に反する」としたわけですが、このようなことは極めて珍しいです。
 記事にもありますが、「最高裁が無期懲役判決を破棄・差し戻したのは99年以来、3例目」で、死刑と無期にゆれる微妙なケースで、最高裁が死刑と無期をどこで線をひくのかの判断をします。

 最高裁の判決というのは、現場の裁判官に絶大な効果があり、裁判官は最高裁の判例は当然知っているべきものとされていますから、最高裁判決が今後の事案において多大な影響を与えます。

 今回の最高裁判決要旨を新聞で読みましたが、注目すべきところは、
1 殺害に計画性がないことを認めながら、それを死刑回避の理由としなかった
2 犯行当時18歳という年齢を「死刑を判断する上で相応の考慮を払うべきではあるが、死刑を回避すべき決定的な事情とまではいえない」
とした点だろうと思います。

 従来、計画性があるかないかは、死刑とするかどうかにかなり重いウエイトをしめてしたのですが、最高裁は、計画性がなくても、このケースでは、
「反抗抑圧の手段や発覚防止のため殺害を次々と実行しており、殺害が偶発的なものとはいえない」
として、計画性がないことをこのケースでは死刑回避とする理由とはならないとしました。

 犯行時18歳という年齢も死刑回避をすべき決定的な事情ではないとしたことは、18歳以上で凶悪事件を起こせば、死刑を選択することもあるというメッセージです(なお、18歳未満は少年法で死刑が相当とされる場合でも無期懲役になります)
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# by cuts | 2006-06-21 13:39 | 刑事弁護
遷延性意識障害(植物状態)の療護センターを拡充という記事
Excite エキサイト : 社会ニュース

遷延性意識障害(植物状態)の方には朗報です。
療護センターというのは、これまで全国に4箇所しかなかったのですが、これを拡充しようという動きがあるということです。
2007年度中ということですから、2008年3月までにということですね。
充実した整備を望みたいものです。 

療護センターの内容、遷延性意識障害の交通事故被害者の介護料についてご興味のある方はこちらもどうぞ。
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# by cuts | 2006-06-16 08:08 | 犯罪被害
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自殺対策基本法が成立という記事
Excite エキサイト : 社会ニュース

以前、このブログで「自死遺族ケア団体全国ネット」の発足について、書いたことがありますが。
 自殺の問題、深刻です。

 1998年から8年連続で3万人台というのは、交通事故死者が1万人を切っていることと比べてもかなり異常な事態ということができるでしょう。

 この対策にようやく基本法できたということです。 
 役所が適切な対策をとることができれば、このような基本法はいらないのでしょうが、縦割り行政を正すためには、国会で法律を作って、役所をせっつかないとだめなのでしょうかね。

 自殺対策やがん対策がようやく基本法になったというくらいですから、高次脳機能障害の問題などはまだまだ日本では基本法が作られるまではいかないのでしょう。

 ちなみに、アメリカでは、1996年に「脳外傷法」が可決され、脳外傷のリハビリテーションに、毎年多額の財政援助が行われるようになっています(関係ブログ記事はこちら)。
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# by cuts | 2006-06-16 08:02 | その他
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国選弁護に初の報酬基準という記事
Excite エキサイト : 社会ニュース

 「国選弁護に初の報酬基準」「国選弁護人の報酬は各裁判所の裁量に任され、これまで客観的な基準はない」という記事なのですが、ちょっと違和感が・・・

 これまでも支給基準というのはありましたし、平成18年度のも決まっております。

平成18年度のは、
簡易裁判所(3開廷) 60,900円
家庭裁判所(3開廷) 82,800円
地方裁判所(3開廷) 85,100円
高等裁判所(3開廷) 91,800円
最高裁判所(2開廷) 99,100円

 ここで「3開廷」とあるのは、公判を3回まで行った場合という意味で、1開廷でも2開廷でもこの基準が適用されることになっているようです。

 ここまでは決まっているのですが、これを増額させる基準というものがなかったのです。
 記事ではまったく客観的な基準がなかったように書かれていますが、そうではなくて、ベース金額の基準は決まっていて、それを増減させるような基準がなかった(=裁判官の裁量だった)のです。

 今後はどうなるかといいますと、記事によれば、

 ”国選弁護人は最低5万円、公判1回7000-9000円で、新設される捜査段階の容疑者の国選弁護人は接見回数などが基準となる。”

ということで、ベースが5万円となりました。
これまでよりも低いですね。
公判1回が高くて9000円ですから、3回公判で2万7000円
ということは、公判3回で7万7000円となり、現在の8万5100円から大幅ダウンということになります。

 ”死刑求刑事件や被害者と示談を成立させた場合などは加算され、努力と成果によってめりはりを付けた”

といわれても、示談が成立するかどうかは被害者次第ということもあり、成立させれば加算でといっても素直には喜べない気がいたします。
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# by cuts | 2006-06-11 14:49 | 刑事弁護
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秋田男児殺害事件に関連して、死体遺棄罪で逮捕者
Excite エキサイト : 社会ニュース

 この記事につけられた見出しは、
「<秋田男児殺害>水死女児の母を逮捕 死体遺棄容疑」
というものでしたが、しばらくこのニュースをフォローしていなかったので、これだけだと何のことか一瞬よくわかりませんでした。

 法律的には、
  女性を死亡した秋田男児の死体遺棄事件で逮捕した
ということですね。
 逮捕された女性が、水死した女児(これは一応事故として処理されたけれども、事故ではないのではないかという疑惑が生じている)の母親だったと、ここが一番世間の注目をひくところなのでしょう。

 ところで、女性の容疑事実は、死体遺棄なのですが、この死体遺棄罪というもの、文字通り   「死体を遺棄した」
という行為を罰するものです。
 その法定刑(法律で定められている刑)は
  「懲役3年以下」
で、殺人罪(懲役5年以上で無期、死刑もあり)に比べると、刑の重さとしては、軽い部類に入ります。

 記事によれば、女性も死体遺棄をしたこと自体は認めているということなので、この死体遺棄事件限りでみると、争いはないということになります。

 しかし、警察側の狙いは別のところにあります。
 殺人があれば、死体がでます。
 この死体を隠そうとすれば、死体遺棄罪にあたりますので、捜査側としては、”誰が死体を遺棄したのか”から調べていってその容疑が固まったところで、死体遺棄罪で逮捕。勾留での取調べで死体遺棄の話を聞いていき、関連して殺人の取調べをしていくのです。
 そして、殺人の容疑が固まったらその者に殺人で再逮捕。 こういう手法をとることが結構あります.

 殺人の関与者と死体遺棄の関与者は一致しない場合も当然ありえます(例えば、死体遺棄だけ頼まれたケース、すでに死亡していた死体を遺棄するだけのケース)。
 今回の事件はそれがどうだったのか、というところが大きな争点でしょう。
 慎重な捜査が求められるところです.
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# by cuts | 2006-06-05 07:39 | 刑事弁護
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千葉県警で捜査書類を放置し、時効完成も8件
Excite エキサイト : 社会ニュース

これはひどい。
どこの警察署かと思えば、市原署ですか。
市原は、千葉市の隣にある内房(東京湾沿い)の市で、京葉工業地帯を持っており、住民の流れも結構あるというようなところです。

この市原署では数年前に、警察官が交通事故の被害者の供述調書を偽造するという事件がおきております。
この事件の詳細は、柳原三佳さんというジャーナリストによる
これでいいのか自動車保険
に掲載されています。
 偽造した警察官は実刑にまでなっているのですが、その教訓が全くいかされていないですね。

 もちろん今回のは捜査記録を偽造したわけではありませんが、記録の管理体制というか、そういうものが全くなっていないという気がします。
 時効が完成してしまえば、起訴はもうできないわけで、被害者の救済にもなりませんし、社会正義の実現もありえません。

 これだけのことをやって、減給10分の1、6カ月と戒告というのですから、警察官の保護は随分はかられているのだなあと感心せざるを得ません。
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# by cuts | 2006-06-01 23:12 | 司法制度

介護の負担

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介護者の4人に一人以上がうつ状態
Excite エキサイト : 社会ニュース

 交通事故の被害者側の訴訟をこれまで何回も担当したことがありますが、被害者で後遺症が残ると実に家族の方が大変なのです。
 
 障害が重度だと介護が必要となりますが、高齢者と違って、介護保険が使えません。
 障害者手帳を取得して、それで福祉サービスを使用するという手もありますが、福祉サービスは地域によっては貧困なところもありますから。

 結局、介護は家族が負担しなければならないというのが実態です。

 今回の調査は、高齢者介護の調査ですが、ケースによっては、負担は高齢者介護以上というものもあります。
 そのような介護の実態も是非調査してほしいものです。

 なお、交通事故の場合は、加害者側に介護費用を損害賠償請求することができるときがあります。遷延性意識障害(いわゆる植物状態のこと)の介護費用について、PDFファイルですが、まとめたものがありますので、ご興味のある方は参考にしてください
こちら
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# by cuts | 2006-05-31 19:52 | その他