主に千葉県における刑事弁護など


by cuts

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尼崎脱線事故でJR西日本が遺族に賠償額提示というニュース
Excite エキサイト : 社会ニュース

 記事の中で、
  「弁護士会の相談窓口で聞いた額よりよかった」と話した
というのがあるのですが、弁護士はどのような説明をするのかということに興味をもたれる方もいるかもしれません。
 このような損害賠償のケースで、弁護士が念頭に置くのは交通事故のケースです。
 交通事故事例は非常に多く、情報の集積がなされているので、これをベースに回答することが多いです。
 死亡事故の事案ですと、
 1 逸失利益
 2 慰謝料
 3 葬儀費用
というのが基本で、逸失利益はその当時何歳だったか、また収入を得ていたか否かなどの要素により決まってくるので、ケースバイケースですが、慰謝料は2000万円~2800万円、葬儀費用は150万円前後というラインが交通事故事件では多いとされております。
 実際の事故は一つとして同じものはないのですが、以上のような交通事故での多数事例をもとに、比較して回答するというのがおおかたの弁護士のスタンスではないでしょうか。

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by cuts | 2005-10-24 18:27 | 犯罪被害

覚せい剤譲渡罪

前衆議院議員の秘書に覚せい剤を譲渡した被疑者を逮捕という記事
Excite エキサイト : 社会ニュース

 覚せい剤の譲渡という容疑で逮捕されています。
 譲り受けた方から、「この人からいついつ譲り受けた。」という供述が得られ、これに対して、相当程度の裏付けがあれば、逮捕状は発布されます。
 しかし、譲り渡した方が容疑を否認すると、起訴することが困難な場合があります。
 まず、目撃者がほとんどいません。
 譲渡した方とそうでない方との供述が食い違っている場合、どちらを信用したらいいのかという問題が生じます。
 最近は携帯電話の通話記録から、個人の行動を証拠上ある程度特定できるようになったので、ここから片方の供述を覆せる程度の裏付けが得られれば、そちら側の供述を信用せざるを得ないということになります。
 渡した物が本当に覚せい剤だったのかという点も問題となります。
 渡した物の残りが押収されていれば、覚せい剤だったということは証明できますが、そうでないと物自体が覚せい剤だったかどうか証明することが難しくなりますから。
 私が担当したケースでは、結構覚せい剤譲渡罪は不起訴になったりしているのですが、今回の件はどうでしょうか。

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by cuts | 2005-10-24 15:30 | 刑事弁護

自死遺族のケアの問題

10月22日(土)の日経夕刊を見ていましたら、
 「広がる自死遺族のケア」
と題して、自殺者遺族などの残された家族の心をケアする動きが広がっているという記事が載っていました。
 犯罪被害に対する動きはここ数年で高まっていますが、自殺の問題はまだまだ取り残されているのかもしれないと思いました。
 インタビューされていた、平山教授が理事長をされている
  グリーフケア・サポートプラザ
のホームページが参考になります。

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by cuts | 2005-10-24 06:26 | その他
UFJカメラ設置事件で被疑者を建造物侵入容疑で再逮捕予定という記事
Excite エキサイト : 社会ニュース

 容疑としては、
  「品川区東の同行東急五反田駅前出張所に侵入した」
というものだそうですが、銀行の出張所は誰でも入れるのになぜ建造物侵入罪が成立するのでしょうか。
 建造物侵入罪は、「正当な理由のなく」侵入した行為を処罰します。
 「盗撮用の小型カメラが入った箱をATMに設置するなどの目的」だった場合は、出張所に普通に入った場合でも、正当な理由がないものとして、建造物侵入罪が成立すると考えるわけです。
 建造物侵入罪は、
  懲役3年以下又は10万円以下の罰金
という比較的軽い部類に属する犯罪ですが、この事件で勾留し、警察はUFJカメラ設置事件の全貌解明の手がかりをつかみたいのでしょう。

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by cuts | 2005-10-23 19:17 | 刑事弁護
マブチ事件で犯人が貴金属をある女性に渡していたのではないかというニュース
Excite エキサイト : 社会ニュース

 まだ、この事件で、被疑者が犯人であるという物証は見つかっていないようですね。
 司法試験を合格して、法曹三者(弁護士、裁判官、検察官)になる前に、司法研修所というところで勉強をするのですが、そこで検察教官が、口をすっぱくしていっていたのは、
   被疑者が犯人であること(犯人性)の立証をきちんとせよ
ということでした。
 検察官というから、何がなんでも起訴に持っていくんじゃないかと思っていた当時の私にはとても新鮮で、犯人性の立証ができなければ不起訴にするという実は当たり前のことが目からうろこでした。
 犯人性を立証するには、物的証拠があればいいわけですが、事件によっては人的な証拠つまり、人の供述で立証しなければならないものもあります。
 マブチ事件は、共犯とされる二人が逮捕されており、一人が犯行を供述、もう一人は黙秘ないし否認ということで、起訴できるかどうかは、犯行を認めている側の供述が信用できるかどうかにかかっています。
 警察は必死に裏づけを取っているのでしょうが、これまでのニュースは人的証拠(供述)ばかりでしたから、物的証拠が得られればさらに立証を補強することができると考えているのでしょう。

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by cuts | 2005-10-23 08:18 | 刑事弁護
マブチ事件で二人の被疑者を逮捕。二人が知り合ったのは、刑務所というニュース→Excite エキサイト : 社会ニュース

 記事によれば二人とも懲役12年の実刑判決を受けて服役していたという。
 刑務所は、長期受刑者と短期受刑者、犯罪傾向の進んでいないもの(基本的には初犯者)と犯罪傾向の進んでいるもの(再犯者か初犯者でも暴力団関係者)をわけて収容することになっています。
 短期と長期の分かれ目は、8年。
 ですから、懲役12年というのは、長期受刑者に分類されます。
 私も接見でよく通っている千葉刑務所は、既決囚については、犯罪傾向の進んでいない長期受刑者の施設なので、ひょっとしたら二人も千葉刑務所にいたという可能性もありますね。
 ところで、刑務所では受刑者がお互いの連絡先を交換するのは禁止となっています。
 しかし、この禁止を犯して、連絡を取り合い、新たな犯罪をするということはありえます。
 実際に私があたったケースでも、少年院で知り合った、刑務所知り合ったというケースは多くはありませんが、あります。
 こうなると、刑務所が犯罪者養成学校や犯罪者紹介所になりさがってしまいますが、実態を見ると、刑務所では少ない予算で受刑者を管理しており、完全に管理することは不可能だということが背景にあると思います。
 本来、受刑者の更生にあたるべき刑務所を犯罪者紹介所にしないためには、刑務所の職員を増やし、専門家の助力も受けて、ことにあたらざるをえないのではないでしょうか。
 それには、今の刑務所の秘密主義ももっと改善されなければなりませんが・・・。

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by cuts | 2005-10-22 08:09 | 司法制度

「過払い」とは何か

アイフルが被告となっている過払い金返還訴訟で和解というニュース
Excite エキサイト : 社会ニュース

 記事中で「法定金利を上回る利息を支払わされた」とあるのは、利息制限法所定の金利を上回る利息という意味でしょう。
 利息をめぐる法律は、ちょっと複雑な状況になっていて、まず、
   利息制限法
という法律があり、10万円以上100万円未満だと年率18%と定められています。
 ところが、
   貸金業法
という法律ですと、上記の貸金の範囲では29.2%まで利息を取ることができます。
 貸金業者は、この貸金業法の上限である29.2%を借主に請求しているわけです。
 ところが、この29.2%という利息を取るためには、貸金業法で定めたかなり面倒くさい要件を満たさなければならないのです。
 大量・迅速に処理をする必要のある消費者金融はこの貸金業法の要件を守っていない場合が結構あります。
 こうなると、18%までにしか利息を請求できないわけです。
 つまり、消費者金融側は、利息をとりすぎているわけで、これを長期間やっていますと、元金を上回るので、借主側から逆に「払いすぎた分の金を返せ」と訴えられることになります。
 これが「過払い返金訴訟」というもので、アイフルは現在集団的に提訴されているわけです。
 これは消費者問題に熱心な弁護士が連帯して請求をするわけです。
 過払い金の返還を相対でしてもなかなかサラ金側が全額支払ってくれません。
 特に理由もなく、80%くらいに負けてくださいといってきます。
 私は理由もなくそのような話には乗れないので、訴訟をすることにしています。
 おかげで過払い返還訴訟は結構やっています。
 訴訟を起こすと、サラ金側はほとんど問題なく元金全額を支払ってくれます。
 今回のアイフルの和解もこのような流れに沿ったものです。

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by cuts | 2005-10-21 20:33 | 債務問題
UFJ銀行カメラ設置事件に関連して逮捕者が出たというニュース
Excite エキサイト : 社会ニュース

 逮捕容疑は、カッターナイフの所持という銃刀法違反容疑。
 おそらく「刃体の長さが6センチメートルを超える刃物の携帯の禁止」罪(銃刀法32条、22条)によるものではないでしょうか。
 この犯罪だと法定刑は、
  懲役1年以下又は30万円以下の罰金
で、犯罪としては比較的軽い部類に属します。
 逮捕の後に勾留できるかどうか問題にはなりそうですが、UFJ銀行カメラ設置事件に関連しているということになれば、警察・検察側は、この男性の身体を拘束して取調べをしたいと考えるでしょうから、勾留請求はしていくでしょう。
 裁判所がどう判断していくかですが、記事によれば、逮捕された方は「住所不定」ということですから、勾留を認めるかもしれませんね。
 住所不定という要件があれば、勾留できることになっていますし、実際、300円程度の弁当の窃盗で、住所不定の方が勾留されているケースにあたったことがあります。
 弁護人的発想からすると、
 ”カッターナイフを携帯していたのは間違いないし、この事実は否定のしようがない。現行犯なんだから、これ以上罪証隠滅行為に走るということもないだろう。前科もないようであれば、他の事案と同様すみやかに略式罰金にすべきだ、勾留する必要はない”
ということになりますが、裁判所というところは、検察官からの請求を安易に認めてしまう傾向がありますので、弁護人の主張が認められないことがしばしば(というか圧倒的に多い)です。

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by cuts | 2005-10-21 06:33 | 刑事弁護
少年を違法に勾留したことが発覚したというニュース
Excite エキサイト : 社会ニュース

 昨日も少年事件のことで、警察もミスを犯すことがあるということを書いたばかりですが、今回は、
 警察・検察・裁判官
のいずれもがミスに10日間も気がつかなかったというニュース。
 少年法では、
 「司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑に当たる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、これを家庭裁判所に送致しなければならない」
としています(少年法41条)。
 通常の事件ですと、
 警察→検察
という送致の仕方になるわけですが、罰金以下の刑にあたる場合は、
 警察→家庭裁判所
になるわけです。
 これがまず第1のミス。
 送られた検察がそのまま裁判所に勾留請求をしてしまった、これが第2のミス。
 裁判官がそれに気がつかず少年に勾留決定を出してしまった、これが第3のミスです。
 ようやく10日経って判明した理由は記事からはわかりませんが、猛省をしなければならないですね。
 同様の事案は今年3月さいたまで起きているのに、この始末。
 チェック体制の確立が必要です。

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by cuts | 2005-10-20 12:59 | 刑事弁護
12歳の少年が母親を殴り殺したというニュース
Excite エキサイト : 社会ニュース

 12歳の少年は逮捕されません。
 逮捕自体が法律で許されていないからです。
 刑法で、”14歳未満の行為は犯罪が成立しない”となっており、「罪を犯した」ことになりません。
 犯罪は犯してはいないことになりますが、何ら処分がないということではありません。
 少年法では、「14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年」は、児童相談所長から送致を受けた場合は、家庭裁判所で少年を審判に付することができることになっています(少年法3条)。
 記事では、
”同署は児童福祉法に基づき長男を一時保護。「殺すつもりはなかった」と話しており、同署は20日に傷害致死の非行事実で、児童相談所「大阪府寝屋川子ども家庭センター」に通告する方針。”
となっております。
 児童福祉法では、
 「要保護児童を発見した者は、児童相談所等を介して児童相談所等に通告しなければならない。」と規定されており(児童福祉法25条)、この規定に基づいて通告するということになりそうです。
 14歳未満の触法少年になりますと、このように児童福祉法やら少年法がからんでくる問題となるので、刑法とか刑訴法とかの頭で考えているとミスをおかしがちです。
 以前に、警察が14歳未満の少年を逮捕した(違法です)という事件も起こったことがあります。なれないためのミスでしょうが、これからは14歳未満の重大な触法行為もときどきは起こってきそうです。

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by cuts | 2005-10-19 21:03 | 刑事弁護