主に千葉県における刑事弁護など


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武装すり団は「強盗」か

武装すり団、西日暮里駅スプレー噴射事件
Excite エキサイト : 社会ニュース

 警察官から職務質問を受けた男4人組が、突然催涙スプレーのようなものを噴射して、22人に傷害を負わせたというニュース。
 4人のうち、1名は傷害と銃刀法違反で逮捕されています。

 他のブログをみていましたら、「なぜすり団なんだ、強盗団ではないか」というものを目にしました。確かに、「武装すり団」というのはネーミングとして違和感をいだく人もいるのではないでしょうか。
 マスコミとしては、もともとはすりをするための団体で、見つかったときに備えて武装しているということから、「武装すり団」と名づけているのかもしれませんが、こういう場合、法律的にはどうなるでしょうか。

 すりというのは、法律上は、「窃盗罪」であり、「強盗罪」とは明確に区別されます。
 強盗というと、当初から暴行や脅迫を用いて財物を奪うものが典型的ですが、最初は物を盗むことしか考えておらず、物を盗んだあとに、警察などに発見されて、その警察官を殴って傷害をおわせたというような場合は、やはり強盗罪にあたります。

 当初から暴行や脅迫を用いて財物を奪うという典型例と区別するために、「事後強盗」といいます。
 
 ではやはり、今回のケースは強盗ではないか、なぜ傷害で逮捕しているんだという疑問がわいてきそうですが、これは窃盗について、少なくとも逮捕段階で証拠がないからでしょう。
 逮捕した段階では、傷害(とあと銃刀法)での証拠はあったものの、窃盗については証拠がないので、とりあえず傷害などで捜査を進め、強盗の証拠が固まれば、起訴する段階では強盗に変える可能性もあるのではないでしょうか。

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# by cuts | 2006-04-07 07:55 | 刑事弁護
川崎マンション投げ落とし事件関係で、殺人未遂の疑いで男性を逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

川崎マンション投げ落とし事件では、
 3月20日 小3男児の投げ落とし事件(殺人事件?)

 3月29日 女性清掃員の投げ落とし未遂事件(殺人未遂事件)
があり、
 今回の報道は、3月29日の殺人未遂事件で出頭してきた男性を逮捕したというものです。

 男性は、小3男児の事件についても「殺そうと思って投げ落とした」と供述しているということで、これなら殺人事件でも逮捕できるのになぜしないのか?という疑問が生じるかもしれません。

 刑事事件での逮捕は、事件ごとに行わなければならないことになっています(事件単位の原則)。
 しかも逮捕するには、被疑者が「自分がやりました」と自白するだけでは足りません。
 その自白がある程度の裏づけが取れて信用できるものだというところまでの証拠がないと逮捕できないのです。

 女性清掃員の投げ落とし未遂事件では、被害者(女性清掃員)が「犯人はこの人に間違いないです」などといえば、被疑者の自白を補強することになりますので、逮捕が可能になったものと思います。

 小3男児の事件は、殺人行為そのものを目撃した人は今となっては被疑者しかなく、被疑者の自白があっても、それが信用できるものか否か慎重に検討する必要があるので、その検討を終えた後、信用があるとすれば逮捕にふみきると思われます。

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# by cuts | 2006-04-02 07:17 | 刑事弁護
<オウム>松本被告の控訴棄却
Excite エキサイト : 社会ニュース

「<オウム>松本被告の控訴棄却 死刑確定強まる」というのがどこのニュースでも流れていました。

 この記事、訴訟手続きの問題とかがいろいろ絡んできますので、ニュースの解説読んでも疑問がわいてくるかもしれません。

☆ 日本は三審制ではなかったのか?なぜ東京高裁の控訴棄却で死刑確定の公算が高くなるのか?
というご質問に対して。
→日本は三審制です。ただ、その三審制というのは、起訴された事実があったかなかったかを審理する場合なのです。
 今回の松本被告の場合は、犯罪事実の有無の問題ではなく、
 1 訴訟能力があったのか否か
 2 弁護側の控訴趣意書(控訴の理由を記載したもの)の提出期限が遅れたのがやむをえなかったのか否か
という手続きの問題でした。

 東京高裁は、
 1 訴訟能力はある
 2 弁護側の控訴趣意書(控訴の理由を記載したもの)の提出期限が遅れたのは手続き違反
ということで控訴を棄却してしまったのです。

☆ 今後の手続きはどうなるのか?というご質問について
→「手続き違反」と判断した東京高裁の決定については異議申し立てができます。
 この場合は、東京高裁の別の部にまずかかります。
 異議申し立てが認められないと、さらに最高裁に特別抗告という異議申し立て手段がありますが、手続きに違反しているかどうかという点だけを問題にする(つまり、松本被告が起訴された事実をやったか否かについては問題にしない)ので、各報道会社は、弁護側に勝ち目は薄いとみて、「死刑確定強まる」という報道をしているのだと思います。

☆ 訴訟能力の有無が問題になっていたようだが、訴訟能力がないと無罪になるのか?という質問について
→訴訟能力がないと判断されても無罪にはなりません。
 訴訟能力はというのは、刑事手続において自分が置かれている立場をある程度正確に理解して、自分の利益を防御するためにある程度的確な判断ができるかどうかというところが問題になるもので、これがないと、公判手続きを停止して、回復を待つということになります。

図式的にあらわすと、
 訴訟能力なし(訴訟中の問題)→公判手続が停止→訴訟能力が回復したら公判手続を続行

 無罪かどうかが争われるのは、「責任能力」というもので、これは訴訟能力とは別の問題です。
 訴訟中ではなく、「犯罪を行った時点」でどうだったかが問題となります。

 犯罪を行った時点で心神喪失→責任能力なし→犯罪不成立で無罪
 





 
# by cuts | 2006-03-28 08:14 | 刑事弁護

安楽死と尊厳死

富山で医師(外科部長)が病院には無断で患者7人の人工呼吸器をはずした
Excite エキサイト : 社会ニュース

 くだんの外科部長は尊厳死を主張ということですが、安楽死や尊厳死というのは非常に微妙な問題を抱えているものです。
 安楽死とか尊厳死というと同じようなニュアンスに聞こえてしまいますが、
 法律上は、

 安楽死→薬剤などを投与し、積極的に生命を縮める行為。
 尊厳死→人工呼吸器を外す行為などを含む治療行為の中止

をいいますから、積極的に生命を縮めたのかどうかというのが2つをわけるポイントです。
 安楽死や尊厳死の問題が法廷に持ち込まれることはまれにあるのですが、最近では、東海大病院事件というのがあり、横浜地裁が95年に示した要件というのがあります。

 安楽死では、
 (1) 患者に肉体的に耐え難い苦痛がある
 (2) 患者の死期が迫っている
 (3) 苦痛を和らげる方法がない
 (4) 患者の明らかな意思表示(同意)
です。
 報じられているケースでは、意識不明の患者さんということですから、そもそも(4)の患者の明らかな同意がないので、安楽死だった場合は、認められる条件をそろえられません。

 尊厳死の場合にも、横浜地裁は要件を示しており、
(1) 死が不可避な末期状態
(2) 患者の意思表示(家族による推定も含む)
(3) 自然の死を迎えさせる目的に沿って中止を決める

となっていますが、患者の意思表示ないし家族の意思については、十分なインフォームドコンセント(説明と同意)が必要なところであり、この辺がどのようなところなのかも警察の捜査のポイントになることでしょう。
# by cuts | 2006-03-26 08:13 | 刑事弁護

救急医療の問題点

最初の搬送先が対応できない救急医療は問題ではないかという毎日新聞の記事
Excite エキサイト : 社会ニュース

 救急医療が整っているかどうかというのは、大問題ですね。

 交通事故の後遺症事案を担当していますと、当初の搬送がなかなかできなくて、遠くの病院にようやく入院できたというようなケースや、当初は近くの病院に入院できたが、そこでは手に負えないといわれてすぐに別の病院に搬送されたとかというケースを目にします。

 救急医療は
  1次救急=入院を必要としない患者向け、
  2次救急=入院、手術を必要とする患者向け
  3次救急=重症、高度専門医療を必要とする患者向け
に分かれています。
 
 記事では「地域社会のニーズを考えれば、初期から3次まで対応できる医療機関が理想的だ」との主張が医師からでているとのことなのですが、各病院の思惑が絡む問題だけにそう簡単にシステムを構築できるわけではないのでしょうね。 
# by cuts | 2006-03-19 06:50 | 犯罪被害

また不可解な少年事件

寝ている友人に灯油をかけて火をつけた高校生、殺人未遂で逮捕
Excite エキサイト : 社会ニュース

 同居していた友人に灯油をかけて火をつけたという行為が殺人未遂にあたるとして、高校生が二人逮捕されました。
 なぜ、高校生くらいの年代の三人が同居していたのか、その同居の間に何があったのか、
灯油をかけて火をつけられるたのか、逮捕された当人が動機についてあいまいな供述をしているということで、この辺のところがよくわからない事件ではあります。
 逮捕されたのが、高校生ですので、法律上は「少年」(20歳未満をこういいます)と扱われます。
 手続の流れとしては、
  逮捕・勾留
→家庭裁判所に送致
となって、家庭裁判所で事実や少年の保護が必要な程度を審理し、事実が認められれば、
 保護処分にするか、刑事処分相当と考えて検察官に送致するか
を決めます。
 殺人未遂事件だと、法律上では、
  家庭裁判所で検察官に送致する旨の決定(逆送決定)が原則
となりますが、事情によっては
 保護処分(殺人未遂だと少年院送致が多いと思われますが)
もありうるところです。

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# by cuts | 2006-01-30 08:05 | 刑事弁護
東横インの無断改築物件さらに判明
Excite エキサイト : 社会ニュース

 東横インの無断改築問題が判明した日に、東横イン(疑惑物件とは別のもの)に宿泊しました(事前に予約してしまっていたためです。あえて宿泊しにいったわけではありませんので、念のため)。
 新装開店で料金格安キャンペーンを展開していたせいか、チェックイン時にはフロントも込み合っており、結構人が入っているなあという感じでした。
 フロントには、東横インの西田社長の書いた本が販売されておりました。
 私が泊まったホテルでは、朝日新聞の無料サービスがありました。
 当日の朝日夕刊の一面には、西田社長の釈明会見が・・・
 しかも、その脇には、西田社長の出版している本が売られておりました。
 あるネット書店で検索したら、同社長は、
「東横インの経営術 女性のセンスを生かして日本一のホテルチェーンを創る」
「家族・友達・仕事のために自分を知ろう 人生を豊かにする内観」
などという本をだしています。
 結局のところ、私はこうしてホテルチェーンを大きくした!という成功体験を書いた本ですが、その脇に朝日の記事があることになんだか非常に違和感を感じました。

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# by cuts | 2006-01-29 08:34 | その他
女性との集団生活をしている男性、脅迫罪で逮捕される
Excite エキサイト : 社会ニュース

 男性一人、女性数人で共同生活をしていた男性が脅迫罪で逮捕されました。
 脅迫罪は、法定刑が
   懲役2年以下又は30万円以下の罰金
ですから、新聞報道にあがるような事件と比べると、比較的軽い部類に属します。
 記事によれば、
 警視庁は集団生活の実態や背景などの解明を急いでいる。
ということですから、脅迫罪以外の犯罪があるのではないかという疑いを警察はもっているということでしょう。
 もちろん、男性が一人で女性が数人という共同生活は、社会道徳的にみれば好ましいことといえないでしょうが、お互いの合意で暮らしているのであれば法律的には、少なくとも刑事法的には何ら問題はないといえます。
 ただ、報道のような脅迫の事実があったとすれば、内部での共同生活でも何らかの犯罪行為ー例えば、意に反してその家に居続けさせるような監禁行為ーがあるのではないかと警察が考えるのもわからなくはないところです。
 脅迫罪というのは突破口で、この逮捕で被疑者の身体を拘束し、被疑者や関係者からの供述を引き出すのが警察の狙いでしょう。
 被疑者は犯罪行為を行っていないと主張しているようですので、弁護人としてつく場合は、弁護人は関係者(やはり共同生活をしていた人になるでしょうね)から事情聴取するなどして、被疑者の言い分が裏付けられるかどうかの活動をすることになります。

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# by cuts | 2006-01-27 08:09 | 刑事弁護
堀江容疑者ら、勾留される
Excite エキサイト : 社会ニュース

 堀江容疑者ら勾留されるという記事ですが、勾留されるまでにはどんな手続になるのでしょうか。
  逮捕されて東京拘置所に留置されているわけですが、この日は東京地裁に連れて行かれます。
 東京地裁で裁判官に「勾留質問」という手続を受けます。
 これは、法廷で行うわけではなく、非公開の狭い部屋で行います。
 弁護人の立会いも原則として認められておりませんから、裁判官と被疑者、あと裁判官の記録役の書記官がいるだけです。
  まず、裁判官から「あなたの被疑事実はを今から読み上げますから、よく聞いておいてください。」といって、被疑事実を読み上げられ、「この事実に間違いはありますか、ありませんか?」と質問を受けます。
 事実を認めている場合は、「間違いありません」と被疑者はいいますから、このときは、書記官が「事実は間違いません」というスタンプを「勾留質問調書」に押して記録します。
 事実を否認する場合は、「いやその事実は間違っています。間違っているのはこことこことです」などと被疑者が主張しますので、それを裁判官が適宜要約して、勾留質問調書に記録します。
 
 裁判官は、この質問の手続に臨むまでの間に、検察官から送られてきた記録を読んで、勾留をするかどうか決めています。ライブドア事件では記録は膨大なものになりますから、全部を裁判官が丹念に読むと言うことは物理的に不可能でしょうね。
 おそらくポイントだけ読んでいるだけと思われます。
 検察官がした勾留請求を裁判官はほとんど認めているのが現状です。
 認めないことの方が珍しいです。
 ですから、先ほどの被疑者とのやりとりの後に、裁判官は、
「それでは10日間、あなたを勾留しますから。勾留場所は東京拘置所です」
といったことを述べて、勾留決定を告知します。
 また、一般人との面会を禁止するという”接見禁止決定”をつける場合は、このときに
「弁護人以外との接見は禁止しますから」
といって、それも告知します。
 これだけで終わりで、あとはまた東京拘置所まで護送されます。

 ニュースでも「10日間」の勾留決定とありますが、実際は起訴までにプラス10日間の勾留延長が認められていますので、起訴までに20日は勾留されるのが複雑な事案では常態となっています。

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# by cuts | 2006-01-26 08:09 | 刑事弁護
堀江社長辞任、ライブドア新体制へ
Excite エキサイト : 経済ニュース

 堀江社長が辞任の意向を示し、ライブドアでは新社長が誕生という記事です。
 逮捕されますと、一般の方(弁護士以外という意味です)は面会できない扱いになっています。
 勾留後は、一般の方は面会可能なのですが、裁判所が
   接見禁止決定
という決定をすると面会や手紙のやり取りができなくなってしまいます。
 この接見禁止決定は最近は頻繁になされるようになり、
  ・容疑事実を否認している事件(否認事件)
  ・共犯者が複数いる事件(共犯事件)、特に組織的な犯罪の事件(組織的事件)
は接見禁止決定がつく可能性が大きくなります。
 ライブドア事件では、
  ・堀江社長は容疑を否認していると報道されていますし、
  ・会社の執行部が関与した組織的な事件
ということで、接見禁止決定がつく可能性はかなり高いと思います。

 一般の方と面会できないということは、弁護士としか会えないということで、外部とのやりとりはすべて弁護士が仲介しなければなりません。
 弁護士としてこのような接見禁止となっている被疑者・被告人の場合は、非常に気を使います。
 というのは、相手に「これこれを伝えてくれ」といっても、それで十分伝わるのか?と思うからです。
 伝言ゲームというのがありますね。伝言をしていくと微妙に話が変わっていってしまうというものですが、それと同じく、人から人への話と言うのは、内容もそうですが、ニュアンスも変わってしまいそうで怖いものです。

 堀江社長辞任の意向もおそらく弁護士が伝えたことでしょう。
 弁護人の、本来の職責は捜査機関側の攻撃からいかに被疑者を防御するかですが、接見禁止決定がなされていると、このような外部との連絡の仲介係の役目を負うことになり、負担が増大します。

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# by cuts | 2006-01-25 07:02 | 刑事弁護